ANMELDEN【無料話増量】獣人は番を得ると、その相手しか異性として見なくなるし、愛さなくなる。獣人は匂いに敏感で、他の異性と交わった相手と体を重ねることを極端に嫌う。獣人は番を決めたら死ぬまで添い遂げ、他の異性とは交わらない。 獣人の少女ヴィクトリアは、父親である獣人王シドの異常な執着に耐え、孤独に生きていた。唯一心を許せるリュージュの協力を得て逃げ出したが、その先で敵である銃騎士の青年レインに見つかってしまう。 獣人の娘が、貞操の危機や命の危機を脱しながら番を決めるまでの話。 《獣人の設定》 ・外見は人間と同じで獣の耳も尾もない ・美形が多い ・肉食で野菜が苦手 ・番以外との肉体関係を極端に嫌う(例外あり) ・獣人と人間との子供は必ず獣人になる ※一部に猟奇的(食人)要素があります
Mehr anzeigenその日の真夜中―― 深い眠りに落ちていたヴィクトリアは、誰かの声を聞いた気がした。『ようやく会えるな』 ヴィクトリアはその声に導かれるように目を覚ました。すると、腹部に痛みがあることに気づく。痛みは等間隔でやって来ていた。 ついに陣痛が来たのかと思ったヴィクトリアは、ドキドキしながら隣で寝ていたリュージュを起こした。「何っ!」 陣痛が来たかもしれないと伝えると、リュージュはすぐに覚醒した。「よし! 医療棟に行くぞ!」「待って! 荷物! 入院用の荷物を持って行かないと!」「そうだった!」 ヴィクトリアを姫抱きにしてそのまま勇んで出立しようとするリュージュは、少し気が動転しているようだった。 リュージュはバッグを肩に担いでヴィクトリアを抱き上げると、急いで医療棟に向かった。「も、も、もうちょっとゆっくり走って!」 最初リュージュが全速力を出すものだから、ヴィクトリアは悲鳴を上げた。「わ、わわわ、わかってるっ! ごめんっ!」 自分と同じく出産への動揺継続中のリュージュと共にたどり着いた医療棟で、ヴィクトリアはそのまま丸一日陣痛に苦しむことになった。 ****** 与えられた部屋で痛みに耐え、そろそろ生まれるから息んでと言われる頃には、ヴィクトリアの体力は底を尽きかけていた。「ヴィクトリア! 頑張れ! ヴィクトリア!」 リュージュが手を握りそばで励ましてくれるが、何度息んでもお産が進んでいる気配はなく、長引く出産によって次第に意識が遠くなっていく。「……体……腰が……狭……」「……そんな! ……! ……! ヴィクトリア!」 朦朧とする意識の狭間で、リュージュと医師が何やら深刻そうな話をしているのが聞こえたが、内容まではよくわからない。 そのうちに
新居への引っ越しも終わり、夏になり、秋も過ぎ、ヴィクトリアはリュージュと幸せな日々を送った。 ただ、穏やかなその日々にも懸念事項はあった。 夜、リュージュと共に寝室に入ったヴィクトリアは、そのつもりでリュージュと抱擁しキスを交わした。 目立ってきたお腹に障らないように優しくベッドに横たえられると、ヴィクトリアの服の中にリュージュの手が忍び込んでくる。 ヴィクトリアはリュージュに愛撫される感覚にうっとりしながら身を任せていたが、突然、腹の中がウゴウゴと蠢き出し、またか、という思いに囚われた。「痛い…… 痛いわ……」 胎児が腹の中で暴れ出し、至る所を蹴られる。 あと数ヶ月で生まれるほどになったヴィクトリアの赤子は、胎児とは思えないほどに力が強く、腹を突き破って出くるんじゃないかと思う時もある。 腹の子は両親が仲よくしようとするのを邪魔したいのか、リュージュとよい雰囲気になると、毎回ではないがヴィクトリアの体内で殴る蹴るの大暴れをする。イチャイチャしたくても痛くてそれどころではなくなってくるのだ。 何もしてこない時はたぶん胎の中で寝てるのだと思う。「またか? 大丈夫か?」「痛っ!」 リュージュがヴィクトリアに声をかけて体に触れようとすると、みぞおちあたりに強烈な一撃が入って、ヴィクトリアは悶絶した。「リュージュ、ごめんね…… しばらく離れてて……」 リュージュと性的な触れ合いさえしなければ、赤子もそのうちに静かになる。 しかしリュージュはムッと眉を寄せ、ベッドに座るヴィクトリアの膨れた腹の前に顔を寄せた。「おいお前! ヴィクトリアは俺のだからな! お前の母さんだけど、でも俺の―― うわあっ!」 言葉の途中でヴィクトリアの腹が服の下がグニュンと動き、リュージュは寸前で避けたが、まるで先ほどまでリュージュの顔があった場所を殴ろうとするかのように、腹部が突き出た。「ううっ…… い、痛い……」「大丈夫か?」
ヴィクトリアはリュージュに連れられて、引っ越し先の候補であるという家の下見に向かっていた。 オニキスが新しい族長になることが決まり、数十年ぶりの族長交代の影響で現在里の中は色々とバタついている。そんな中でもリュージュがかなり頑張ってくれたらしく、現状で引っ越し可能な家を早々に確保してきてくれた。「てっきり、引っ越しはもう少し先になると思っていたわ」 手を繋いで歩きながらヴィクトリアは思ったことを口にする。「いつまでもあの家にいたら胎教によくないだろうって思って、急いだんだ」 まだ悪阻も始まっていないような初期であり、お腹もぺったんこだが、シドが死んだあの日の営みが実って、ヴィクトリアはリュージュの子供を妊娠していた。 リュージュはあの日からずっとそわそわしっぱなしで、毎日ヴィクトリアの匂いを嗅いで妊娠したかどうかを確認していた。 妊娠がわかった時にはリュージュは大喜びしてくれて、ヴィクトリアも笑顔になって二人で抱き合い、ヴィクトリアの体に新しい命が宿ったことを一緒に祝った。 それから、妊娠確定後しばらくして、毎日のように見ていたレインの夢を見なくなった。 あの夢は、「レインにいつか償わなければ」という自分の心の枷を反映させたもののように感じていたが、子供ができたことで意識が変わり、自分の中で覚悟が決まったのだと思った。 優先するべきはリュージュと子供であり、もし今レインが目の前に現れても、ヴィクトリアは大事な二人に我慢を強いるような行動は起こさない。「あの家だ」 やがて視線の先に一軒の家が見えてくる。その家を指差すリュージュを見たヴィクトリアは、はたと立ち止まった。「あれは……」 間違いない。その家は、ヴィクトリアの母であるオリヴィアが亡くなるまで、一緒に暮らしていた家だ。「あの家はお前が十一歳まで暮らしていた家だし、お前が住むならいいんじゃないかってオニキスに言われたんだ。 俺も一回下見したけど、八年前だからもう何の匂いも残ってない」
ベッドの上で、裸になった二人が絡み合う。「もうっ…… いいからぁっ…… 挿れてっ……」 リュージュはずっとヴィクトリアの全身への愛撫を続けるばかりで、なかなか結合してくれなかった。 リュージュがヴィクトリアの股の間に男根を当ててきても、割れ目やクリトリスを擦り立てるだけで、一番欲しい場所にはもらえない。 「ああ、そうだな……」 ヴィクトリアの懇願を受けたリュージュは、彼女の胸の先端から唇を離して了承したようなことを言うが、すぐにまたピンと勃った胸の先をねぶり始めて、膣に挿入している指を動かし、赤く色づいて膨らんだ淫芽を虐めてくる。「愛してるよ、ヴィクトリア」「ああ! ああーーっ!」 リュージュに愛を囁かれて胸がいっぱいになったヴィクトリアは、それだけで腰をカクカク揺らしながら、本日何度目かわからない絶頂を果たした。 絶頂から降りてきて激しく呼吸を繰り返すヴィクトリアの耳に、リュージュが膣から指を引き抜くクチャッという音が聞こえた。 下を見れば、脱力しているヴィクトリアの股間に唇を近づけようとするリュージュがいた。 この絶頂地獄はどこまで続くのだろうと思ったヴィクトリアは、今度は泣きながら懇願した。「挿れてぇっ! 早く突いてっ! 奥まで埋めてぇっ!」 恥ずかしいという感情は既に消え去っていて、ヴィクトリアは自分の手で秘裂を開くと、リュージュの目前にすべてを曝け出した。「……本当にいいか? 今日ヤったら子どもができるぞ」 クンニを直前で止めたリュージュは、行為前にも確認したことを再びたずねて来た。 もしかしたらリュージュも、本当は子供を作ることに少しためらいがあるのかもしれない。「いいの! 欲しいの! 赤ちゃんください!」「わかった。いくぞ」 決意したのだろうリュージュはそう言うと、ヴィクトリアの脚の間に体を滑り込ませた。 リュージュはヴィクトリアが広げたままの膣口に先
アルベールを抱えて走るヴィクトリアの背中に、炎の刃が迫った。「!」 ヴィクトリアがハッとして振り返った時には、既に炎が目前まで来ていた。 それはレインが戦線離脱したことに気づいたアークによる火魔法攻撃だった。 ヴィクトリアは咄嗟に氷魔法で壁を作ったが、灼熱の炎の一部は壁が出来上がる前にそこを通過してしまった。 ヴィクトリアは一瞬肝が冷えたが、炎がヴィクトリアたちの体を焼くことはなく、解毒剤と治癒魔法の効果で命の危機を脱したアルベールが、ヴィクトリアの体を抱きしめて、間一髪のところで炎を避けさせていた。 ヴィクトリアはすぐに氷の壁を自分たちの周囲に量産して炎を防いだが、氷壁の外側
処刑場広場での戦闘は、アルベールとレインの二人の間に巻き起こったものだけではなかった。 「あの男は西の里のS級獣人のオニキスだ! 捕獲しろ! 生死は問わない!」 叫んだのは、上級クラスの獣人の名前と、顔写真がある場合はそれらも全て把握している四番隊長だ。 四番隊長の号令によって、観客席から広場へと降り立ったオニキスに向かい、シドとの戦いで負傷していなかった銃騎士たちが一斉に発砲した。 ナタを投げてしまったオニキスは、鉛の銃弾を弾く得物は持っていなかったし、おまけに片手片脚を負傷中で松葉杖まで突いていたが、神業的な高速移動を披露して全ての弾道を避けた。 弾丸だけではなくて、急
何も感じない闇の中にいたはずのヴィクトリアの意識は急浮上しようとしていた。 全身が心地よい感覚に包まれていて、ヴィクトリアの意志とは別に、その心地よい波に乗って自分の体がどんどん高みに上がっていく。 ヴィクトリアは上り詰めた先で多幸感と快感を感じながら全身をわななかせて、やがて弛緩した。 状況がわからないながらも、おそらく性的に達して浮遊感を感じている間に、ヴィクトリアは自分を繋ぎ止めるように抱きしめてくれる腕があることには気づいていた。 ヴィクトリアはその温もりをとても心強く、そして愛しく感じた。 絶頂後も体に上手く力が入らなくてぐったりしていたヴィクトリアだったが、何とかまぶ
室内に響くのは、リュージュがヴィクトリアに深くキスし、舌で口内を弄っているために漏れ出る粘膜の音と、休憩のためにリュージュが唇を離した時の、少し荒い二人の呼吸音だけだった。 室内には、こちらを向いたま置物のように微動だにしない行儀の良い白い鳥がいるだけで、マグノリアの声は聞こえずにその匂いも近くにないので、彼女がどこにいるのかはわからない。 リュージュは自分がマグノリアの声の幻聴を聞いたのだろうかという気になっていたが、不思議な声に導かれた結果だとしても、死の直前に口付けを交わすなんて発想はリュージュになかったので、愛する女性の存在を確かめて幸せを感じられるこの時に感謝した。 リュー





