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第4話

Penulis: ディディ
優花が指輪をはめた手の写真を元婚約者がネットに拡散した。

写真には、蒼大が彼女のためにオーダーメイドした指輪をつけて、優花が彼の胸に寄り添っている姿が写っていた。

ネット民はすぐに、私と蒼大が5年の長い間恋愛していた事と、婚約パーティーで私が蒼大に優花の彼氏を演じるようにさせたことを引っ張り出してきた。

そしてみんなが優花は恩を仇で返したひどい女で、親友の彼氏を奪ったと罵った。

ネットが炎上した後、蒼大が数人連れて私に会いに来た。

彼はある声明書を私に突き付けた。

そこには、私が蒼大とはかなり前に別れていて、婚約パーティーでは、私自ら二人の仲を取り持ったことにされていた。

優花は清廉潔白なのに、私のほうは男と別れてからも元彼につきまとい、わざと親友を陥れようとした悪女に仕立て上げられていた。

蒼大は私の向かい側に座った。

「サインして、そこに書いてある通りに動画で主張してくれれば、ネットの炎上は落ち着くからさ」

私は彼に尋ねた。

「どうして私が謝罪しないといけないわけ?」

すると彼は眉間に皺を寄せた。

「優花は弱いから耐えられないんだ。

お前だって、彼女があの婚約取消のトラウマからようやく抜け出したって知ってるだろ。

ネット中からこうやって罵られるのは彼女には耐えられないんだよ」

またその言葉。

優花は耐えられない。だから、全ての苦しみは私が引き受けるべきなのだ。

その声明に真実味を持たせるために、蒼大と一緒に来た人たちが、私のSNSアカウントで投稿した彼と関係ある内容を全て削除しろと言ってきた。

すると蒼大が私に手を伸ばしてきた。

「柚乃、スマホを貸してくれ」

私はロックを解除し、彼に渡した。

この5年間、SNSにアップした私と彼の内容は、どれも彼が自分で選んだ写真だった。

文章も、彼が全て私のスマホを使って書いたものだ。

付き合って1周年の記念には【俺と出会ってくれてありがとう、柚乃】

3周年には【一生君と一緒にいると決めた】

そして去年の誕生日には、彼は新居の鍵をアップした。

【佐伯蒼大の妻は、緑川柚乃だけ】

あの時彼は言った。

「俺たちの仲は別に隠しておく必要はない。全世界に柚乃が俺の彼女だってみんなに知ってほしくてたまらないよ」

そして今、彼はまた私のスマホから、あの5年間のツーショット写真と私への約束を次々と消していった。

そして最後、それは優花の婚約パーティーの前に私たち3人で撮った写真だ。

写真には、私が真ん中に立ち、蒼大の腕に手を絡め、もう片方の手で優花の背中に手を回していた。

蒼大はその写真を数秒見つめた。

そして編集アプリを開き、私だけをそこから切り取り、彼と優花だけを残した。

彼と一緒に来た人たちが、原稿を私に渡すと、ライブ配信が開始した。

私は彼らが用意した内容を自ら口に出していった。

「私と佐伯蒼大さんはかなり前に別れました。

あの婚約パーティーでは、私が彼に吉永優花さんを紹介しました。

彼女は一度も私と彼の間に割り込んできたことなんてありません。

そう言い終わると、原稿を持つ手がガタガタと震えてきた。私は紙の端で指を少し切ってしまいそうだった。

原稿用紙に書かれた「元彼にいつまでもつきまとい」という言葉に涙がこぼれ落ちたが、手で拭うことができなかった。

カメラはまだ私に向けられている。私はただ、5年間の純粋な愛を、恥も知らずに幸せな二人を邪魔した邪悪なものへと変えるしかなかった。

すると多くのコメントで埋め尽くされた。

私がやっと認めたと言う人や、残酷な女だと罵る人、それに、優花に謝罪しろと言ってくる人までいる。

蒼大と一緒に来た人が小声で注意した。

「緑川さん、最後の言葉、まだですよ」

すると優花がこの時、泣いて止めに入った。

「もういい。

これ以上、私のために柚乃に背負わすことはできないわ」

しかし、蒼大はただ私のほうを見るだけだった。

「お前は優花より強いだろ。

それが最後だ。

言い終われば、それで全部終わるんだから」

私は顔をあげて、優花を見た。

彼女は私のパジャマを着て、私が過ごしていた寝室で寝て、蒼大が彼女のためにオーダーメイドした指輪をつけている。

それなのに、この女は今目を真っ赤に腫らして、まるで被害者ヅラだ。

私は小声で言った。

「吉永優花さん、ごめんなさい」

裏切られた私が、最終的にみんなの前で裏切り者たちに謝罪している。

ライブ配信が終わった後、ネットの意見は逆転した。

優花は親友から男を奪った悪女から、私にわざと陥れられた可哀想な被害者へと変わった。

一方私は別れた後も元彼に執着し、悪意を持って親友の噂を流した頭のイカれた女になった。

蒼大は明らかに胸を撫でおろしていた。

優花は感情のコントロールができずに、泣きながらその場を去っていった。

そして蒼大がすぐに彼女を追いかけた。

彼は去る前、振り返って私に言いつけた。

「お前は先に帰って待ってるんだ。

優花を落ち着かせたら、夜戻って俺たちのことについて話し合おう」

この男はさっき、自ら私たちの5年間をSNSから消し、元彼だと主張するように迫った。

そんなことまでしたくせに、私が優花に占領されてしまったあの寝室で彼の帰りを待つものだと思い込んでいる。

確かに私はあの家に戻った。

それはただ最後の荷物を持ちだすためだ。

深夜、蒼大は家に帰ってきた。

クローゼットは空になり、ゲストルームの中も、何もかも消えた後だった。

玄関からは私のスリッパが減り、浴室には歯ブラシもなくなった。

テーブルの上には、彼が渡してきたあの声明書が置いてあった。

サインの下には、私が一言付け加えておいた。

【この日をもって、この声明は効力を持つものとする】

優花のスマホ画面がこの時光った。

それが私が事前に時間になったら送られるように設定しておいたメッセージだ。

【あなたがSNSで彼に本気になって返したくないって投稿したのを私は見たわよ。

よかったわね、今彼はあなたのものになったわ】

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