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第4話

Author: アイス
「いつから彼氏ができたんだ?」ドアから片足を踏み出したところで、学に腕を掴まれた。「なんで俺が知らないんだよ」

みんなの前で、しかも麻衣までいるのに、私はカッと顔が赤くなった。

必死でその手を振りほどいた。

「私に彼氏がいようといまいと、あなたに関係ないでしょ?」

私は怒りをぶつけた。「両親にだってまだ何も言われてないのに、あなたに口出しされたくない!」

「学!」大輔が、厳しい声で言った。「ちゃんと座って!みっともないぞ」

私はその隙にお辞儀をして言った。「おじさん、おばさん、失礼します」

背後から麻衣のおとなしそうな声が聞こえてきた。「綾さんはとっても綺麗だし、よく舞台にも立ってるから、言い寄ってくる男の人も多いでしょう……

彼氏がいてもおかしくないですよね。さっき、マフラーの下にキスマークみたいな跡が見えましたし」

自分が言ったことが適切ではなかったとハッと気づき、少し間を置いて、申し訳なさそうに皆に向かって話し続けた。「私たち芸術専攻の人とは性格が違うのかもしれません。絵を描く人は物静かなタイプが多いんですけど、ダンスをやってる人は結構社交的っていうか……

でも、どんな女の子にも、それぞれの生き方がありますから」

その後、私がどんな風に言われているのか、もはやどうでもよかった。

確かに、私の服は、少し派手かもしれない。でも、別にそれが問題になったことなんてなかった。結局は、誰かを褒めそやすために、誰かを貶すってことだ。

学が私のことをどう悪く言っているか、想像に難くない。

ただ、みんなは知らないだろう。彼氏がいるなんて言ったのは嘘だけど。

ここを出て、K市に引っ越すのは本気だ。

K市の物件情報を集め始めると同時に、引っ越し後の仕事についても調べ始めた。

そうやって自分を忙しくすれば、学のことを考える暇もなくなるから。

私たちは幼い頃からずっと一緒で、彼は昔からずっと、隣に住むお兄さんという感じで、優しくて頼りになる存在だった。

誰かにいじめられたら、いつも庇ってくれた。

10歳の時、私がわがままを言って、夜の9時まで遊園地で遊んでもらったことがある。

両方の両親が心配して警察に通報する騒ぎになった。結局、砂場でままごとをしていた私たちは、家に連れ戻されたんだ。

その時、学は全部彼のせいだと言って、私を庇ってくれた。

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