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第928話

Author: 藤原 白乃介
知里は顔を真っ赤にしながら、誠健の言っている「あそこ」がどこか、分からないはずがなかった。

悔しさに任せて彼の首にガブリと噛みつき、睨みつけるように言った。

「また変なこと言ったら、今度は喉を噛みちぎるからね」

知里が本気で怒りそうな気配を見せたので、誠健もさすがにそれ以上はからかわなかった。

笑いながら彼女の頬をそっと撫で、優しい目で見つめながら言った。

「もう変なこと言わないよ。じゃあ、今キスしてもいい?」

知里はその色気たっぷりの目に見つめられて、心臓がドクンと跳ねた。

このクソ男の目はまるで妖狐みたいで、いつも彼女の心をかき乱す。

すぐに視線を逸らし、顔をそっと誠健の唇に近づけて催促する。

「早くキスして、終わったらすぐ出てって。お母さんがもうすぐ上がってくるから」

誠健は唇のすぐそばまで寄ってきたその顔を見つめて、軽くつまんだ。

そして突然、知里の顎を掴んで、唇を重ねた。

突然のことで知里の目はまん丸に開かれる。

彼の胸を両手でバンバン叩き始めた。

けれど、彼女が暴れるほど、誠健の動きはどんどん大胆になっていく。

ついには一方の手で彼女の両手を押
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