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第208話

作者:
怒りの理由は、彼女がこれほど危険な計画を実行するにあたり、この桜井雅也に一言の相談もなく単独で動いたことだ。

それに、直人が木村家を破産させた元凶である以上、俺も直人と同じ桜井家の人間だ。彼女が俺のことも憎んでいるのではないかという疑念を拭えなかった。

車の中でしばらく考え込んでいた雅也が、そろそろ帰ろうかとエンジンをかけようとしたその時、ルームウェア姿の楓が両手にゴミ袋を提げてエントランスから出てくるのが見えた。

彼の視線は無意識に彼女の姿に釘付けになり、先ほどまで氷のように冷たかった瞳の奥に、柔らかい光が差し込んだ。

楓も雅也の車に気づき、足がピタリと止まった。

少し迷った後、彼女はゴミをゴミ置き場に捨ててから、ゆっくりと雅也の車の方へ歩み寄った。

車から数歩離れた場所で立ち止まった瞬間、運転席の窓がスッと下りた。

視線が交錯し、しばらくの間、二人は無言のまま見つめ合った。

やがて楓が下唇を噛み、ゆっくりと口を開いた。

「叔父さん。私を……責めに来たんですか?」

雅也の瞳が暗く沈み、その口角に冷ややかな笑みが浮かんだ。

「もし俺が本気で君を責めに来たなら、君が
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