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第350話

Author: 青葉凛
「拝島社長、以前にも強く申し上げたはずですが……!志津様のお心臓は現在非常にデリケートな状態です。強いストレスさえ掛けなければ安定を保てたはずなのに、また何か強い刺激を与えてしまったんでしょう?」

主治医は深く眉をひそめてため息をついた。これだけの財力と権力を持ち合わせている一族だというのに、なぜこうも頻繁に老人に致命的なストレスを与え続けるのか、彼には理解に苦しむところだった。

「……事情は後で必ず説明します。今はとにかく、祖母を助けてください!あの痛ましく苦しむ姿を、これ以上見てはいられないんです……!」

律の声は微かに震えていた。「祖母の発作を鎮めて、状態を安定させていただけるなら、もうそれ以上は何も望みません。どうかお願いします!」

すがるような口調で医師に頭を下げる律の姿からは、普段の隙のない冷徹なトップとしての面影は完全に消え去り、ただ愛する家族を救いたいと願う一人の青年の切実さが滲み出ていた。

「全力を尽くして、志津様の苦痛を取り除きましょう。ですが、あらかじめ覚悟はしておいてください。現在の状態は極めて危険です。無事に目を覚ますと、確約することはできません」

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