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第899話

Author: 青葉凛
誇らしげに胸を張る蘭を見て、紫音は声を出して笑った。

その屈託のない笑顔を見ていると、どんな困難な壁も、この二人なら軽々と飛び越えていけそうな気がした。

「だからこそ、私は蘭にこの会社が頂点へ登り詰めていく姿を、一番の特等席で見届けてほしいの。あの時、私を信じてついてきてくれたあなたの期待は、絶対に裏切らないわ」

紫音はふと懐かしむように目を細め、小首を傾げた。

「でも、実を言うとずっと不思議に思っていたの。どうしてあの時、あなたは私を選んでくれたの?安定したあの大きなグループ企業に残る道だって、当然あったはずなのに」

当時を振り返れば、紫音はまさに人生のどん底にいた。

元婚約者である清也との関係が破綻し、周囲から孤立するような形で彼のもとを去ったのだ。あの時の自分は傷つき、余裕もなく、四面楚歌のボロボロな状態だった。

それにもかかわらず、蘭は一切の躊躇なく、紫音と共に泥舟に乗る覚悟を決めてくれたのだ。それこそが、今の二人の間にある絶対的な信頼の原点でもある。

蘭は少し思い返すように視線を上げ、やがてクスッと笑った。

「一番の理由は、あの会社の陰湿な空気が肌に合わなか
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