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第15話

Autor: 林 安奈
由依は顔を背けて避けようとしたが、言葉にできないほどの苦しさが込み上げてきて、目頭が熱くなった。

「雅紀、やめて!」

彼女は暴れて抵抗し、肘で突いて、足で彼を蹴りつけた。

彼は低く呻き声を上げたが、それでも手を放そうとはせず、逆に彼女の顔を両手で包み込み、深く強引に唇を重ねてきた。

由依の抵抗など、彼の力強い攻勢の前ではあまりにも無力だ。

彼女は息を乱しながら言った。

「あなたなんて、大っ嫌い」

体に刻まれた記憶は、頭で思うよりずっと正直だ。

この二年間ですっかり彼に飼い慣らされたこの体が、もっと乱暴で、もっと深いキスを求めている。

雅紀は唇を重ねたまま、くぐもった声で応えた。

「由依、嗅いでみろ。俺に、ほかの女の匂いなんてするか?」

彼女がそういうことをどれだけ気にするか、彼はよく分かっている。

その言葉に、由依はぴたりと抵抗をやめた。

雅紀は目を伏せて彼女を見つめた。目を赤くして、力なく可哀想な様子は、まるでひどく虐められたかのようだ。

彼は胸を痛め、顔を寄せて彼女の濡れた目尻にそっとキスをした。

「泣いてるのか?」

彼女はそこで初めて、自分が本当に
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