LOGIN剣崎瞬(30)ロンドン駐在の外交官 長期出張のため一時帰国中 × 深見恵麻(26)恋愛に臆病なOL 中高時代ロンドン暮らしの帰国子女 両親が見合い話を持ち込むのを阻止するため 結婚間近の姉・礼奈から 偽装婚約&同居を提案された恵麻 その相手は礼奈の元カレ 十年前 礼奈が浮気者と豪語して こてんぱんに振った瞬だった…!? 。+.。゚:;。+゚+。::゚。:.゚。+。。+.。゚:;。+゚+。::゚。:. 三人それぞれが秘めた十年越しの想いと罪 過去の恋から解放される時 三人が辿り着く幸せとは― 。+.。゚:;。+゚+。::゚。:.゚。+。。+.。゚:;。+゚+。::゚。:.
View More顎を摩って思案する彼を、名残惜しい気分で見つめていると。「恵麻。俺たち、恋人みたいな夫婦になろう」瞬がニコッと笑った。「恋人みたいな?」「そう。俺たちにはすでに棗がいる。だから、棗の前ではパパとママ。でも、こういう二人きりの時間は恋人」そう言って、私の額にキスをする。 弾む唇が目蓋に鼻先に、頬へと下りてきて、私は片目を瞑った。 そして、再び唇が重なる前に。「今度はただのフリでも偽装でもないから、『そういうこと』もしていいよね?」瞬が目を合わせて訊ねてきた。「そういう……?」私は意表をつかれて瞬きを繰り返した。 でもすぐに、偽装婚約と同居を承諾した時、私が出した条件だと思
すっかり涙は止まって、甲高い笑い声が絶えない。 瞬は二人がこちらを気にしていないのを確認して、私にコツンと額をぶつけてくる。「明日、結婚指輪選びに行こう」私の頭の後ろに手を回して、自分の方に引き寄せた。「休暇明けたら入籍の手続きをしないと。恵麻と棗の滞在ビザ、取得しなきゃいけない」「……ん」「時間作って、日本の恵麻のご両親と、オーストラリアの俺の両親に挨拶に行こう」「うん」耳元でやるべきことを数え上げる瞬に頷いた分だけ、本物の夫婦に近付いていける。 急ぐ必要はない、ゆっくりでいい。 頭ではそう思ってるのに気持ちが逸るのは、きっと、瞬と結婚して棗と三人で過ごす幸せな毎日を思い
「瞬。まさか、プロポーズしてないんじゃないでしょうね……?」「い、いやいやいや!」目力を込めて睨めつけられ、瞬が弾かれたように勢いよく首を振った。「そういう意味合いのことは言ったし、恵麻もそう解釈してくれてる。……な?」じっとりと咎める視線から逃げて、私に助けを求めてくる。「う、うん……」私は一応同意したけれど、気付いてしまうとどうにも気になる。 なんとなく目を合わせられず、ご機嫌な棗を無駄にあやして誤魔化した。 そんな私と瞬を交互に見遣り、思案顔をしていた哲也さんが、「よし」と悪戯っぽく目を細めた。「わかってくれてるからいいってもんじゃない。瞬君、男たる者、こういう大事
ヨーロッパのクリスマスホリデイは、カレンダー上では十二月二十五日、二十六日、翌年一月三日の三日間。 だけど、ほとんどの企業が間を繋げて休日にしていて、多くの人が長期休暇でクリスマスとニューイヤーを楽しむ。日本大使館も現地の慣例に従い、一部業務を除いて休業、閉館で、瞬も基本的にはお休み。 だから私はクリスマス、瞬の誕生日にはどうしても渡英したかった。去年用意していて渡せなかった分と今年の分、二つのプレゼントを持参してきた。 手渡すと、瞬は大袈裟なほど喜んでくれた。 そして、自分には用意がないことを、何度も何度も謝った。 それで、当然なのに――。『せっかくだから恵麻の欲しいもの、一