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第13話

Auteur: 玉井べに
「凌、この子を助けて」

「私の子が……」

苦しげな嗚咽が、絶望に絡め取られていく。

……

「夕星、目を覚まして」

「悪夢を見ていたんだ」

雷鳴を突き破るように、焦った声が響いた。

夕星はぱっと目を開け、見慣れた精悍な顔を見た。

凌が彼女を半ば抱き起こし、切羽詰まった声で呼ぶ。「夕星」

夕星の頭の中はまだ混沌とし、全身にはあの夜の痛みが残っているようで、白い指が無意識に凌の服を掴む。慌ただしく、そして苦しげに懇願した。

「凌、お腹がすごく痛い。この子を助けて」

凌の顔に痛ましさが走る。妻がまだ夢から抜け出せていないとわかると、彼はさらに強く抱き締めて宥めた。

「俺はここにいる、夕星」

「ここにいるんだ」

再び雷鳴が轟く。

夕星の体がぴたりと硬直し、ようやく悪夢から解き放たれた。

涙の跡がまだ残る顔で、布団を引き寄せ、横向きに体を倒した。

凌が背後から寄り添い、腕を彼女の腰に回して抱き込む。

「夕星、寝ていい。俺が見守るから」

夕星が体を動かし、距離を取ろうとした。凌とはそんなに密着したくなかった。

しかし次の瞬間、また凌に抱き寄せられる。

逃げようとする腕を強く押さえられ、強引に身をかがめられ、唇を塞がれた。

その口づけは、優しく、慰めるようだった。

けれど夕星は受け入れない。

必死に抵抗し、目尻に涙を浮かべる。

凌はその涙に触れ、胸の奥が締め付けられるように痛くなった。

結局、それ以上は続けなかった。

彼は手のひらで彼女の長い髪を撫で、感情の滲んだかすれ声で言った。「誘拐犯たちはもう捕まえた。会いに行くか?」

夕星が彼らの惨めな姿を見れば少しは晴れるのではと思った。

しかし夕星は背を向け、淡々と拒絶する。「いい」

凌は肩に手をかけ、強引に向き直らせる。「お前が誘拐された件は、アシスタントの調査不足だった。

半年分のボーナスをカットした」

夕星は無言のまま、白黒はっきりした瞳で凌を見た。

笑いたくなる。

あの暴風雨の夜、自分が流産した真相を突き止められなかったのに、罰はたった半年分のボーナス削減。

じゃあ、彼女が受けたあの苦しみは何だったのか。

結局のところ、すべて原因は彼だった。

彼が妻を大切にしなかったから、周りの人間も彼女をぞんざいに扱った。

彼は理解しようとせず、分かろうともせず、まして過ちを認めることすらない。

夕星は伏し目がちにして、瞳の奥の失望と嘲りを隠し、窓の外を見た。

稲妻が夜空を何度も明滅させる。

夕星は小声で告げる。「もう寝るわ」

凌は数秒黙り込み、嗄れた声で「わかった」と答えた。

彼は肩から手を離し、背中を向けたままにさせた。

瞳の奥には冷たい色が沈んでいた。子供の件では罪悪感がある。けれど彼女の態度が癇に障る。

人は前を向くしかないのに、夕星はそうしようとしない。

翌朝、夕星が目を覚ましたのは遅い時間だった。階下に降りると、使用人が朝食を運んできた。

「旦那様は出勤なさいました。奥様のお好きなお粥を作るよう申し付けてあります」

夕星はうなずき、席について食べ始めた。

さらに別の使用人が煎じた薬膳スープを持ってきた。「こちらは今朝届けさせた漢方です。医者さんに特別に処方してもらったそうで、栄養をつけるものだとか」

声の調子には、夕星への羨望がにじんでいた。

大きな屋敷に住む夫婦でも、妻をここまで気遣う夫は滅多にいない。

まして彼のような若い男性なら、外では群がる女性がいくらでもいるのに、旦那様はただひとり奥様だけを一途に愛しているのだから。

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