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第343話

Author: 玉井べに
安輝は、律が一緒にいてくれないと寝ようとしない。

美鈴が適当な理由を探そうとした時、凌は既に言っていた。「今日はパパ帰ってこないよ」

「凌」美鈴は小声で彼が続きを話すのを止めた。

安輝の目に涙が急速に溜まっていった。

「パパがいい」

美鈴は本当に困ってしまった。

凌は安輝を抱き上げ、彼の涙を拭った。

「パパは仕事に行かなきゃいけないから、俺が代わりに安輝の面倒を見るね」

安輝は律が仕事でいないことを当然理解できず、ただ律に帰ってきて欲しかった。

彼はすすり泣きし、とても悲しそうだった。

凌は慌てず、低い声で安輝をなだめた。「前に自分の妹を守ると言ってなかった?」

安輝は躊躇いながら頷き、泣き声が少し小さくなった。

「じゃあ男らしくならなきゃ、些細なことで泣いちゃダメだよ」

「泣いてないもん」安輝は小さな手で涙を拭った。

それでも、安輝は自分をコントロールできず、何度拭っても涙がまた溢れ出ていた。

凌の心は柔らかくなり、笑いをこらえながら、さらになだめ続けた。

「妹もそろそろ寝る時間だから、安輝も一緒に妹とおねんねしない?」

安輝は考えてから頷いた。「僕が妹を守る」

自分は男らしくいなきゃ。自分の妹を守らなきゃいけないし、ママを心配させてもいけない。

「安輝は偉いね、じゃあママと妹のところに行って寝よっか」

凌は安輝をベッドに寝かせると、安輝はすぐに美鈴のそばに寄り添い、彼女の腕を抱いておとなしくした。

美鈴は複雑な表情で凌を見た。

彼は子供が好きではないのに、子供をなだめるのが上手だ。

しかし、子供は純粋で、凌のような人間にとってみたらそんなのは朝飯前だ。

凌が部屋から出ようとした時、安輝が小声で言った。「凌おじさんもママと妹のことを守ってくれる?」

凌は薄い唇をつり上げて答えた。「もちろんだ」

彼は歩み寄り、安輝の反対側に横になった。

安輝は真ん中に横たわっていた。パパが凌おじさんに変わったけど、それでも安心感を感じることができる。

そして、安輝はすぐに眠りについた。

穏やかな呼吸音を聞いて、美鈴はやっと安堵の息をついた。律がいないことで安輝がぐずるのではないかと本当に心配していた。

「安輝はとても賢い子だ」凌の穏やかで低い声が響いた。「きちんと説明すれば、彼は人の言うことを聞く」

美鈴は口を開くなり皮
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