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第8話

Author: るるね
last update publish date: 2026-09-01 05:50:19

 避妊薬を飲むよう言いつけると、優和は寝間着に着替え、再び先ほどまで座っていた一人掛けの椅子へ腰を下ろした。

 タブレットを手に取り、読みかけだった資料へ何事もなかったかのように視線を戻す。

 千温はひどくゆっくりとした動きで、ベッドの上に身体を起こした。

 白く滑らかな肌には、いくつもの赤い痕が残されている。どれも、力加減など考えずに優和が掴み、押さえつけた跡だった。

「優和、さっき……ほかの人の名前、呼んだ……?」

 身体を起こした拍子に、体内に残されていた精液がゆっくりと流れ落ちていく。

 今、自分が何を感じているのか、千温自身にもよく分からなかった。

 確かに、彼女は人より鈍い。

 けれど、何も分からないほど愚かなわけではない。

 あんなときに、無意識に口から零れてしまうほどの名前だ。

 その女が優和にとって何の意味もない相手だとは、どうしても思えなかった。

 千温がわざわざ先ほどのことを口にするとは思っていなかったのだろう。優和の表情に、ほんのわずかな苛立ちが滲んだ。

 それでもタブレットから視線を上げようとはしない。

 まるで聞く価値すらないことを尋ねられたかのように、ひ
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