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第20話

Author: 酒井よりこ
墓地は、海を見渡せる山の斜面にある。参列者は少ない。

朔也はずっと最後尾を歩いている。誰も彼を追い払おうとはしないが、誰一人として近づくことを許さない。

郁実と海人は、同じ墓に入ることになった。

墓石には、二人の名前が刻まれている。

【立花郁実】

【愛息・立花海人】

夫の名はない。父親の名もない。

朔也は【立花海人】の文字をじっと見つめ、目が潤む。

かつて3度も親子鑑定を受けさせ、海人は灰原家の血を引いていることを、周囲に認めさせようとした。

それなのに、海人は死んだあと、「灰原」という苗字を捨てた。

納骨の直前、知夏は海水でボロボロになった家族の絵を、墓の中に納めようとする。

朔也が足早に近づく。

「待ってくれ」

その場にいた全員が彼を振り返る。

朔也は修復したもう1枚の絵を取り出す。

「こっちを入れてくれ」

修復士の手によって、色あせていた太陽と海は元の姿を取り戻している。

3人の小さな人影の輪郭も、はっきりと描き直されている。

だが、父親の顔だけは、相変わらず真っ白なままだ。

知夏は受け取ろうとしない。

「ボロボロだけど、これは海人がのこし
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