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第13話

作者: 春を贈る
それからしばらくのあいだ、梓は新しい仕事に慣れることに追われていた。

突然外部からやってきた副社長ということもあり、部下たちは彼女の実力を認めようとしなかった。

それが変わったのは、梓が3日間ほとんど眠らずに動き回り、数十億円規模の大型案件をまとめ上げてからだった。ようやく、新しい会社で確かな足場を築くことができたのだ。

契約を交わし終え歓声に包まれるなか、梓は今夜みんなで食事に行こうと告げた。

これまで彼女を面白く思っていなかった部下たちも、次々にうなずいて賛成してくれる。

梓はそこで初めて、ひとまず彼らに認めてもらえたのだと確信が持てた。

夕方、梓は部下たちを引き連れて火鍋を食べに行った。エレベーターに乗り込もうとしたとき、パリッとしたスーツ姿の怜司が慌ただしく駆けつけ、手で扉を押さえた。

「食事会に、僕を呼ばないのか?」

笑いながら人だかりをすり抜け、ちょうど梓の隣に立つ。

怜司に触れているほうの肩が、ふいに熱を帯びた気がした。

みんなが囃し立てる。

「社長、今夜はパーティーがあるんじゃなかったんですか?」

怜司はコホンと咳払いして説明した。「中止になった
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