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55.特別

last update publish date: 2026-03-05 19:03:55
遥side

「……住吉社長。監査の件で何か確認事項でも? あるようでしたら月島を呼んでまいりますが」

一歩引いて事務的な対応をすると、奏多は私の言葉を遮るようにさらに一歩こちらへ踏み込んできた。

「仕事の話じゃない。監査はもう終わっただろう。……俺はお前に用があるんだ」

「用とは何でしょうか? 手短にお願いします。外で車が待っておりますので」

「お前……! 何だ、その余所余所しい態度は。俺と距離を置くためにわざとそんな言い方をしているのか?」

「……初日にもお伝えしましたが、私はここへ仕事のために来ています。監査の結果については真摯に対応しますが、それ以外は応じられません。公私混同するような態度は改めてください」

私の言葉に奏多の呼吸が荒くなるのが分かる。奏多は苛立ちを隠そうともせず、私に問いただすように詰め寄ってきた。至近距離で見上げる奏多の顔は、かつて私が愛されようと甲斐甲斐しく尽くしていたあの頃のままだった。 高い鼻、線を引いたようにくっきりとした二重の幅、濃く長いまつ毛、そしてバランスのいい薄い唇……。その一つ一つの造形を懐かしく感じてしまう自分に、嫌気がさす。

けれど、次に奏
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