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第十一話

Penulis: 美希みなみ
last update Terakhir Diperbarui: 2025-07-07 10:12:15

その後も、心のもやもやを押し隠しながら、私は仕事に集中していた。

「三条、もう上がろうか?」

宗次郎くんの声にハッとすると、いつの間にか就業時間は過ぎていて、すでに直帰したメンバーも多い。残っているのは私たちだけだった。

「もう、こんな時間……」

私の言葉に、宗次郎くんはクスリと笑う。

「弥生って本当に集中力がすごいな」

そう言うと、兄が妹にするようにポンと私の頭に手を置いた。

「そう?」

二人きりということもあり、宗次郎くんはプライベートの話し方に戻っていた。

私も笑顔で首をかしげながら、帰り支度を始める。

「そうだよ。それに――いろいろ分かりやすいし」

「えー? それって褒めてないよね?」

“顔に出やすい”という意味だろうか。

他の人からそんなことを言われた記憶はなく、なんとなく腑に落ちない。

「佐和子の方が、わかりやすくない?」

このタイミングで名前を出していいのか迷ったが、こじれてしまっている二人のことが気になって、つい探るように聞いてしまった。

「そんなことないよ。何考えてるのか、まったくわからない」

ため息まじりにそう言った彼に、私も心配になってしまう。

「……今回の、結婚のこと?」

「俺はうまくいってると思ってたんだけどな……」

そう言って、いつもきっちり固めている髪をクシャッと崩し、宗次郎くんは表情を曇らせた。

「私も、そう思ってた」

「俺みたいなつまらない男、飽きたのかもな。もともと、尋人との方が仲がいいし」

――初めて聞く宗次郎くんの弱音。

どう答えていいか分からなかった。

実際、私だって佐和子と尋人がお似合いだと思ったことは、一度や二度じゃない。

「……悪い。お前の旦那に、なんてこと言って」

ハッとしたように言い直す彼に、私は苦笑する。

「元……ね」

「それだよ。どうして離婚する必要があったんだ?」

真顔でそう問われ、私は言葉に詰まってしまった。

その時、遠くから低い声が聞こえてくる。

「お前には関係ない」

その声にハッと反応してそちらを見れば、尋人が鋭い視線を向けて壁にもたれかかっていた。

「尋人……」

つい漏れた私の声に、尋人はゆっくりと一歩ずつ歩いてくる。

「宗次郎。お前に、俺たちの離婚理由が関係あるのか?」

「いや、ないよ。でも――俺の大切な部下が、浮かない顔してるのは気になるだろ?」

さらりとそう返した宗次郎くんに、尋人は不敵な笑み
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Komen (3)
goodnovel comment avatar
kukuikuchan
十話と十一話が全く同じ内容です。 その分を返してほしいです!
goodnovel comment avatar
noble.v
ほんま… 同じく損した。
goodnovel comment avatar
らむネロ
なんで同じ内容が…一話分損した。
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