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第678話

作者: 風羽
水谷苑は静かにベッドにもたれかかっていた。

窓が少し開いていて、吹き込む風が、痩せ細った彼女の体を冷たくさせた......

彼女は聞こえていた。自分のための角膜提供者を、田中詩織も病気だという理由で夫はD国に送るつもりだ。

田中詩織には心臓が必要だった。

博士は自分が失明するかもしれないと言ったが、九条時也はそれでも決断を変えなかった。

彼って本当笑わせてくれる。こんな状況で、彼はまだ自分のことを愛していると言い、やり直そうと言い、幸せになれると言っている......

だが、水谷苑の表情は変わらなかった。そう、彼女はフランス語ができるのだ。

九条時也は、結局自分のことをよくわかっていなかったのだろう。自分は18歳の時、1年間留学していたおかげで、日常会話程度のフランス語なら問題なく理解できるのだ......

もし自分がフランス語を理解できなかったら、九条時也にも本当に愛する人がいることを、彼が田中詩織のことを......本当に愛していることを、知ることはなかっただろう、と水谷苑は思った。

だから水谷苑は全てを知りながら、何も知らないふりをした。

どちらにしろ、結末は
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