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第1538話

작가: 桜夏
そして弾かれたように、二歩後ずさった。

執事は首をかしげた。

――たしかに足音は忍ばせていたが、まるで猛獣にでも遭遇したかのような驚きようではないか。

いつの間にか背後に立っていた執事を目にした瞬間、蓮司の脳裏をよぎったのは、さっきの嘘をどこまで聞かれたかということだった。

驚きから立ち直り、どうにか冷静さを取り戻すと、人差し指を唇に当て、静かにという合図を送る。

執事はその意図を汲み取って頷いた。もとより静かにしており、声をかけて邪魔をするつもりなどない。

それなのに、なぜか蓮司は自分を信用しなかったようで、階段を下り、花壇のそばまで移動して電話を続けたのだ。

執事は少し傷ついた。会社の重大な機密でも話しているのならともかく、なぜ自分を避ける必要があるのか。

しかし先ほど耳に入った言葉から察するに、仕事の話とは思えない。そうでなければ、自分の名前など出るはずがないからだ。

執事はボディーガードへ視線を向け、尋ねた。「若旦那様はどなたとお話しされているんだ?水野社長か?それとも佐藤か?」

「どちらでもありません。橘という名字の女性です」ボディーガードが答える。

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