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第1212話

作者: 小春日和
「でも、うちの親父の性格からするとさ、本当に家宝があるなら、自分でこっそり隠してそうなんだよな」

真奈は不思議そうに尋ねた。「どうして?」

伊藤は首を振りながら、どこか寂しげに言った。「黒澤おじさんと黒澤おばさんみたいに、愛し合って結ばれる家庭ばかりじゃないからさ」

その言葉に、真奈はふと動きを止めた。

幸江はそっと真奈の耳元で囁いた。「智彦の両親はね、ビジネスのための結婚だったの。結婚前から智彦のお父さんには恋人がいて、お母さんにも想ってた人がいたらしいのよ」

「……そうだったんだ」

そんな環境で育ちながら、伊藤のように素直で明るい性格に育ったのは、たしかに珍しい。

伊藤は言った。「じゃあ、俺が一度家に戻って、親父に直接聞いてみるよ。もし宝石が出てきたら、冬城家のは瀬川家のものだってこと」

皆はそれぞれに頷いた。

真奈が尋ねた。「おじいさん、この四つの指輪は四大家族の証なんでしょ?じゃあ、その四大家族に隠された秘密って何でしょうか?海城の財宝のことですか?」

「海城の財宝なんてものは、あくまで伝説に過ぎんよ。俺の父の代が海城にやって来たのは、前の世紀の戦乱の頃だっ
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