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第1886話

Author: 小春日和
黒澤は何も言わなかった。

人を好きになる時の目は、隠そうとしても隠しきれない。

しかし、麗奈は黒澤の娘だ。黒澤も旭登のあの小僧にそう簡単に渡すつもりはなかった。

もし、旭登が本当に自分の娘を追いかけたいなら、まずは俺を越えてからにしろ。

30分後。

麗奈は冬城について冬城家に入った。

冬城家は、麗奈が小さい頃に来た時とほとんど変わっておらず、メイドもすでに部屋を片付け終わっていた。

しかし、麗奈はすぐには自分の部屋に戻らず、そのまま冬城の書斎に駆け込んだ。

冬城がソファに座って二日酔いの薬を飲んでいるのを見て、麗奈はようやく今回の目的を口にした。「冬城パパ、聞きたいことがあって……」

「君の父親の昔話か?」

麗奈が小鳥が餌をついばむようにうなずいた。

冬城は眉間を揉んだ。さっき酒を飲みすぎたせいで、少し頭が痛かった。

冬城は少し離れた本棚を指さして言った。「本棚の三段目、左側から三番目が、お前の父親のファイルだ。見たければ見るがいい」

そう言い終えると、冬城は上を向いてコップ一杯の水を飲み干し、言った。「明日は定例会議がある。見終わったら元に戻しておいてくれ」
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