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第1913話

Penulis: 小春日和
その頃――

ずっとスマホの着信を待っていたウィリアムは、少し首をかしげた。

どうしたんだ?

とっくに電話がかかってきていいはずなのに。

どうしてまだ何の反応もないんだ?

ウィリアムは自分の薬剤が福本信広の心を動かせないはずはないと思っていた。

そこで、自分から福本信広に電話をかけた。

「もしもし、ウィリアム先生」

「あ、こんにちは!あなた……福本信広さんじゃないですね」

最初こそ愛想よく話していたウィリアムだったが、すぐに電話口の相手が本人ではないことに気づいた。

「はい、ウィリアム先生、私は福本社長の秘書です」

「福本社長は?」

「福本社長は現在会議中で、恐らく薬剤の件についてお話しする時間はないと思います」

「……」

ウィリアムは、相手がただ口実を作って自分をあしらっているだけだと感じた。

「ええと、秘書さん、福本社長はあの薬剤を試しましたか?あれは本当に精神疾患を治療できるんです!」

福本社長は人格分裂なんだから、むしろ一番の適応者だろ!

後半の言葉は、ウィリアムはさすがに口に出せなかった。

でも、福本社長だって、自分がどんな状態かくらい分かっ
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    その頃――ずっとスマホの着信を待っていたウィリアムは、少し首をかしげた。どうしたんだ?とっくに電話がかかってきていいはずなのに。どうしてまだ何の反応もないんだ?ウィリアムは自分の薬剤が福本信広の心を動かせないはずはないと思っていた。そこで、自分から福本信広に電話をかけた。「もしもし、ウィリアム先生」「あ、こんにちは!あなた……福本信広さんじゃないですね」最初こそ愛想よく話していたウィリアムだったが、すぐに電話口の相手が本人ではないことに気づいた。「はい、ウィリアム先生、私は福本社長の秘書です」「福本社長は?」「福本社長は現在会議中で、恐らく薬剤の件についてお話しする時間はないと思います」「……」ウィリアムは、相手がただ口実を作って自分をあしらっているだけだと感じた。「ええと、秘書さん、福本社長はあの薬剤を試しましたか?あれは本当に精神疾患を治療できるんです!」福本社長は人格分裂なんだから、むしろ一番の適応者だろ!後半の言葉は、ウィリアムはさすがに口に出せなかった。でも、福本社長だって、自分がどんな状態かくらい分かってるはずだ。電話口で秘書が笑いながら言った。「福本社長が私に電話に出るようにと言ったのは、ウィリアム先生に、福本社長の病気は20年前にすでに治ったので、ご心配には及ばないとお伝えするためです」「何だって?20年前にすでに治った?どうして俺は知らなかったんだ?」ウィリアムは完全に呆然とした。まさか、自分に隠れて別の医者に診せていたのか?「それと、福本社長からウィリアム先生への伝言です。お帰りの際、宅配便の受け取りをお忘れなく」「宅配便?何の宅配便?」ウィリアムの胸に、突然不吉な予感がよぎった。福本信広が栄養ドリンクなんか送ってくるはずがない。何しろ福本信広は、真奈のような善人ではないのだから。「それは……ウィリアム先生がお帰りになれば分かります」秘書はそれ以上何も言わなかった。ウィリアムは頭をかいた。どういうことだ?しかし、宅配便をいち早く受け取るため、ウィリアムは足早に海外の自宅へと戻った。ウィリアムが戻るとすぐに、玄関先に置かれた一枚の書類入りの封筒が目に入った。ウィリアムの中で警報が鳴り響いた。封筒を開けると、

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