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第559話

Auteur: 小春日和
「彼は、瀬川さんを拒まないでしょう」

佐藤茂のその確信に満ちた言葉に、真奈はしばし口を閉ざした。数秒の沈黙ののち、静かに問いかけた。「……佐藤さん。もしこの件を黒澤が知ったら……あなたと袂を分かつかもしれませんよ」

「彼に、そこまでの覚悟があるでしょうか?」

佐藤は言葉少なに笑みを浮かべた。掴みどころのない、その笑みが返って底知れぬものを感じさせた。

真奈はしっかりと頷き、言った。「……わかりました。お受けします。どうぞ、良いご縁になりますように」

そう言って、彼女は手を差し出した。

佐藤はその手を一瞥し、うっすらと笑みを深めながら、真奈の指先を軽く握った。「このあと、もう一人お越しになる方がいます。会ってみられますか?」

「どなたですか?」

真奈が訝しんで問い返したその時、扉の外から聞き慣れた低い声が響いた。「俺だよ」

その声は以前よりもいくらか重みを増していて、落ち着いた響きを帯びていた。

真奈がぱっと振り返ると、そこに立っていたのは――佐藤泰一だった。

久しく姿を見ていなかった佐藤泰一は、日焼けした小麦色の肌に、以前は赤だった髪を黒の短髪に変え、白いシャツに
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