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第558話

Auteur: 小春日和
車が佐藤邸に到着すると、運転手が佐藤茂を丁寧に車から降ろした。その様子を見た真奈は、思わず口にした。「……歩けるようになられたんですか?」

言ってから、自分の無神経さに気づき、すぐに言い直した。「あ、いえ、その……私が申し上げたかったのは――」

「歩けますよ。ただ、少し動くのに苦労するだけです」

佐藤茂は車椅子に移されながら、淡々と続けた。「この脚があってもなくても、私にとっては大きな違いではありません。ですから、瀬川さんも気を遣う必要はありませんよ」

その価値観は、やはりどこか常人と違っていた。周囲に執事の姿が見えなかったため、真奈は自然と前へ出て、車椅子のグリップに手を添えた。

そして二人は二階の書斎へと向かった。真奈は少し緊張した面持ちで、佐藤茂の向かいに腰を下ろした。

「デビューするからには、きちんとした専門のチームが必要になります。佐藤プロでは、瀬川さんに最高のリソースを提供します。特に大きな成果を出していただく必要はありません。収益が上がれば、それで十分です」

「……佐藤さん、私へのご期待は随分お優しいんですね」

「まあ、私は楽観的な人間ですから」

「……
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