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第578話

Author: 小春日和
しかし今、立花は真奈を困らせるつもりはないようで、唇をうっすらと吊り上げながら、彼女に一歩ずつ近づいていった。「佐藤茂がお前を送ってきた時、何も教えてくれなかったのか?」

真奈は眉をひそめた。

立花の声には、明らかな嘲りが含まれていた。「ここに来たら、俺が王だ。全員が俺の言うことを聞く。お前もだ」

その圧迫感のある接近に、真奈は危険の気配をはっきりと察知した。

ちょうどそのとき、遠くで突然、大きな音が響いた。

人々の視線が一斉に音の方向へ向けられる。メイドが誤って出雲にぶつかり、手にしていたワインボトルを床に落として割ってしまったのだ。出雲は冷たく言った。「どうしてくれるんだ!」

「申し訳ありません!申し訳ありません!」

メイドは床にひざまずき、必死に謝り続けた。

その騒ぎに、立花の注意が一瞬それた。その隙を逃さず、真奈は立花との距離を素早く取り、言った。「立花総裁のおっしゃる通り、ここのルールをもっと知っておくべきでしたね。では、失礼します。どうぞごゆっくり」

立花の注意が逸れている間に、真奈は彼に返答の機会すら与えず、すぐさまその場を後にした。

側にいた森田が言
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良香
なんだ、出雲もう惚れてんじゃん。 無意識に助けたんでしょう?恋じゃん。
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