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第752話

Author: 小春日和
前世の記憶に間違いはなかったようだ。時系列通りであれば、数年後に立花は楠木家と政略結婚を結ぶ。そうなれば、彼の洛城での地位は今以上に盤石なものとなるだろう。

もしそうなれば、彼女の両親と黒澤の両親の仇を晴らすことなど、叶わなくなるのではないか。

「瀬川さん、ラウンジに着きました」

内匠が案内し、真奈は軽くうなずいて中に入った。

「ゆっくりお休みください。後ほど軽食をお持ちします」

「ありがとう」

「いえいえ」

丁寧にそう言い残すと、内匠は静かに部屋を後にした。

しばらくして、真奈はそっとドアを開け、周囲を見渡す。ラウンジの外には、誰一人いなかった。

どうやら立花は内匠に彼女を監視するよう指示していなかったらしい。

これはまさに予想外の僥倖だ。

間もなく、女性スタッフ数人が料理を運んできた。

真奈はすぐに元のソファに戻った。数人の女性スタッフが料理を彼女の前に並べていく中、そのうちの一人に見覚えがあることに気づき、真奈は尋ねた。

「あなた……ディーラーの麗子よね?数時間前に会ったわ」

数時間前、立花が彼女を引っ張って行ったのは、まさに麗子のいた場所だった。

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