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第983話

Penulis: 小春日和
「海城の闇は深すぎる、彼女にはあまり知らせたくない」

そう言って、冬城は袋を福本英明の足元へ蹴り出し、「運んでおけ、俺は先に上で待ってる」と告げた。

「おい、冬城!丸投げかよ!」

福本英明は腹立たしさを抑えきれず、袋の中で大量出血している出雲を見て思わず舌打ちした。

よりによって、海外で一番寵愛されている二人の女をさらうとは……なんて無茶な真似だ。

その頃――

廃工場の中。

立花と馬場がようやく駆けつけた時には、すでに跡形もなく人影は消えていた。

立花はしばらく無言で光景を見回し、「ここで間違いないのか」と低く問うた。

「ボス、間違いありません。調査に出した者が、電話の発信信号は確かにここだったと報告しています」

立花はちらりと腕時計に目をやった。

ここへ駆けつけてから、すでに二時間が経っていた。

まさか……もう片がついたのか。

立花は顔を険しくし、「あの出雲、まったく打たれ弱い奴だ」と吐き捨てた。

翌朝、福本家の屋敷。

「え?瀬川が帰国した?どうして勝手に行っちゃったのよ!」

福本陽子は慌てて声を上げ、「いつ出たの?もう飛行機に乗ったの?」と畳みかけた
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