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第 70 話

Author: スイカのキノコ
真依は鞄を提げて自分の部屋に戻った。

紗月に渡すはずだったあの原稿もなくなっており、おそらくうっかり一緒に提出してしまったのだろう。

彼女は以前わざわざ規則を再度確認し、出資者が原稿を事前に見て一次選考を行う機会があることを知っていた。

つまり、あの汚れた図面があるかどうか、尚吾は知っている。

彼女は歯を食いしばり、尚吾に電話をかけた。

数秒もせずに尚吾は電話に出た。彼の声は低く、感情をあまり込めずに「用件は?」と言った。

「会えない?相談したいことがあるの」真依はできるだけ柔らかい口調を心がけた。今は人に頼む立場なのだから。

「今?」尚吾の声の調子が少し上がり、意味深な響きを帯びた。

真依の
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