Mag-log in主人公はスイーツが大好きなヒロイン、由紀乃。ある日由紀乃は、冷凍食品を扱う会社【スリーデイズ】で副社長を務める天野川大翔と出会う。 大翔からスリーデイズが新たにスイーツ部門を立ち上げることを聞かされた由紀乃は、大翔からスイーツ部門の開発メンバーとして立ち上げに協力してほしいとお願いされる。 その報酬は一億円で、一億円で大翔と結婚してほしいとお願いされた由紀乃は、戸惑いながらも結婚することを決める。スリーデイズのスイーツ部門のメンバーとしてスイーツ開発が始まる。 スリーデイズが最初に開発するスイーツを決めることになった由紀乃たちだったが、意見を出し合う中、スイーツ開発にアップルパイが決定する。
view more大翔さんがいなきゃ、わたしはスイーツを作ろうと思えなかったかもしれない。 単純にスイーツを食べることが大好きってだけで、ここまで来ることは思ってなかった。「わたしは、スイーツが大好きだよ。食べることも、作ることも大好き。……だけど、わたしは大翔さんと一緒にいる時間が、一番大好きなんだよ。大翔さんがいないと、わたしは生きていけないもん」「由紀乃……」 だってわたしは、天野川由紀乃。スリーデイズの副社長である天野川大翔の妻だ。 大翔さんのことを誰よりも尊敬しているし、誰よりも愛おしいと思ってる。 大翔さんは誰よりも頼れる存在で、わたしにはもう大翔さんと過ごすこの時間がかけがえのない大切な
【〜最高の幸せは家族三人で〜】 「ただいま」 「大翔さん、おかえり。 今日もお仕事、お疲れ様でした」 「ありがとう、由紀乃」 わたしは大翔さんに「先にご飯食べる?」と聞くと、大翔さんは「ああ、そうするよ」と答える。 「今日の夕食、大翔さんのリクエストのチキン南蛮にしたよ。後豚汁とピリ辛キュウリ」 「お、チキン南蛮は嬉しいな」 「すぐ用意するね」 あれから気が付けば、半年が過ぎた。 半年間色々とあったけれど、無事にオンラインショップでのスイーツ販売にもこぎつけることに成功した。 そしてスリーデイズのオンラインショップでも自慢のアップルパイをハーフとホールでの販売も開始したところ、これがまた大反響なのだ。 大人気のためオンラインショップがサーバーダウンしてしまうことがあり、お客様には迷惑をかけてしまったが、無事にサイトも復旧しまた販売が出来るようになった。 思わぬサーバーダウンにわたしたちもてんやわんやでバタバタしてしまったが、サーバーに強いスタッフがいるおかげで割とすぐにサーバーは復旧することが出来たのも良かったと思う。 「お、チキン南蛮美味そうだな」 「ふふふ。正直、自信作」 「そうか。 よし、食べよう」 二人で「いただきます」と手を合わせると、大翔さんは早速出来たてのチキン南蛮に手を伸ばす。 パリパリというチキンの音が、口にした瞬間にいい音を奏でている。 「うん、美味いっ」 「でしょ? 自信作だからね」 「本当に美味いよ。最高だわ」 「ふふふ。良かった」 大翔さんがこうやっていつも美味しそうにご飯を食べてくれるから、わたしも作って良かったと思える。 一人で食べるより、やっぱり二人で食べる方が何倍もご飯は美味しい。 「豚汁も最高に美味い」 「良かった」 わたしが作る豚汁は出汁に特にこだわっている豚汁で、味噌は白味噌を使っているのだけど、出汁が美味しいから豚汁がもっと美味しくなっている。 「いつも美味しく食べてくれるから、わたしも嬉しいよ」 「本当に由紀乃の料理は美味い。疲れた身体を染み渡る」 「良かった」 大翔さんと色々と切磋琢磨しながらこうして美味しいスイーツ作りをしてきたけど、美味しいスイーツでみんなが喜んでくれるのはやっぱり嬉しいし、作ってて良かったと実感する。 「そうそう。ネットでのアップルパイの注
片山さんがそう伝えると、新メンバーの人たちは驚いているようで、「えっ! あ、天野川副社長の奥様……ですか!?」とわたしを見ている。「はい。わたしは副社長の妻です。……片山さん、伝えてなかったんですか?」「言ってたつもりだったんだけどね」「すみません。聞いてなかったのでビックリしました」 そう言われたけど、「わたしのことは普通にリーダーでいいですよ。 副社長の奥様だとか、気を張ることないですからね」と念の為伝えておいた。「お、恐れ多いです……」 と言われたけど、「わたしだって普通の一般人ですよ?元はスイーツ大好きな一般人です。 なので、気負わず話しかけてくれたら嬉しいです」と笑顔を見
わたしたちは頷きながら「はいっ!」と返事をした。「求人募集についての補足になるが、募集開始後の面接は俺と片山、二人で行うことになった。 片山、宜しく頼むよ」「えっ!わたしですか……!?」 片山さんは驚いたような表情をしている。 大翔さんは片山さんに「片山は俺がスイーツ部門を立ち上げた時からの初期メンバーだからな。片山が一番適任だと俺は思ってるんだが……どうだ?」と聞いている。「わたしも、片山さんが適任だと思います」 わたしがそう伝えると、片山さんは「そこまで言われたら、断れないじゃないですか」と言っているものの、「わかりました。面接担当、引き受けます」と受けてくれた。「ありがとう
「大翔さん、ありがとう。大翔さんのおかげだよ」「それは由紀乃が頑張ったからだろ?」「……わたし、なんか泣きそう」 大翔さんはわたしの頭をそっと撫でてくれる。「泣いてもいいぞ」「……でも、ここでは泣かない」 家に帰ってから思う存分泣くことにする。「家で思いきり泣くことにするね」 「そうか。じゃあその時は俺の胸を貸してやるよ」「ありがとう」 こういう時に助けてくれるのが大翔さんだから、いいんだよね。「パフェが全部完売なんて、実はちょっとビックリしてるんだ」「そうなのか?」 わたしは「うん」と頷いた。「正直、完売は無理かなって思ってたし」「でも完売したな」 「うん
「アンタみたいな男をもらってくれる奥さまがいて、本当に良かったわね」「ああ。俺はとにかく幸せだ」「アンタの口から幸せ?……いや、吐き気がする」「おい、失礼だな」 やっぱりこの二人、幼なじみなんだな。ケンカ越しになるけど、なんだかんだこのやりとりを見ていると面白いと感じる。「お二人って、仲がいいんですね」 わたしがそう言ったら、二人は「仲良くなんてない」や「コイツと仲良し? いやいや、ありえない。相性どう考えても最悪でしょ」と口にした。「その言葉、そっくりそのまま返してやる」「はあ? ムカつくんだけど」 テレビで見ているナチュラルな南條ゆずよりも、こっちの方が南條ゆずの本当の姿
「あの、いつもテレビで拝見しています。……すごくおキレイですね」「そうかしら? ありがとう。嬉しいわ」 ゆずさんは「由紀乃さんも、とてもかわいらしい方ね」と微笑んでいた。「ありがとうございます」 ゆずさん、テレビで見るより何倍もキレイだな。「由紀乃さん、大翔に寂しい思いさせられてない?大丈夫?」「えっ?」 ゆずさんはわたしの手を取ると、「もし大翔にいじめられたら、いつでもわたしに連絡してきてね。いつでも匿ってあげるから」と笑顔を向ける。「はい……?」「おい、ゆず。由紀乃に変なこと言うな」 大翔さんはすかさずゆずさんにそう言っていたが、「まさか大翔がこんなにかわいい子と結婚す
「本当か? 良かったな、由紀乃」 大翔さんは嬉しそうに微笑んでくれる。「うん、良かった。 パフェも美味しいって言ってくれる人がたくさんいて、なんか感激しちゃった」「そっか。 でもそれは、由紀乃の努力だろ?」「え?」「由紀乃がみんなで力を合わせて成功させたから、の栄光だろ?」 大翔さんがそう言ってくれるから、わたしは「うん。頑張って良かったね」と微笑んだ。「さ、まだまだこれからだ。頑張ろう」「うん」 その後、スリーデイズのキッチンカーにはひっきりなしにお客さんが次から次へと列を作っていて、ありがたいことに行列が絶えなかった。 私たちもみんな忙しくなりキッチンカーの中から出るこ