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第1272話

Auteur: 似水
二人の相性は、互いの存在を邪魔しない、ごく自然なものだった。まるでその間には、誰ひとりとして入り込む隙がないように。

景司の瞳は徐々に冷たさを増し、部屋の空気そのものが静かに、しかし確実に沈んでいくようだった。

由佳は果物を洗い終え、テーブルに並べながら穏やかに言った。

「景司さん、イチゴはいかがですか?」

だが、景司は突然立ち上がり、無表情のまま淡々と告げた。

「どうやらお前は本当に大丈夫そうだね。じゃあ、俺はこれで失礼するよ」

その言葉に、由佳は思わず目を瞬かせた。報酬はいらないってこと?

だったら好都合……!

そう思いつつも、形式的に引き止めておかねばと思い直す。

「そんなに急いでどうするんですか?夕食を食べてからにしてくださいよ」

「いいよ」

まさかの即答に、由佳は一瞬、思考が止まった。

……え?冗談のつもりだったのに?

彼女の戸惑いをよそに、辰一が口を開いた。

「そうだ、夕食を食べてからにしよう。今日ちょうど上海蟹を買ったんだ。由佳は上海蟹が大好きなんだよ」

景司は両手をポケットに入れたまま、気だるげに立っていた。その視線は冷たく、しかしどこか刺
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