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第282話

Penulis: 花辞樹(かじじゅ)
「やめろ!」深雲は冷たい声で遮った。その表情は凄絶だった。「研時、その言葉に責任が持てるんだろうな」

研時は動じることなく電話をかけ、コネを使ってその日の監視カメラの映像を取り寄せさせた。

ほどなくして送られてきた映像──そこには、たしかに映っていた。西都製薬の真ん前で、景凪と悠斗が一緒にいる姿が。

「……」

深雲は、画面を食い入るように見つめた。向かい合って立つ二人。親密な素振りこそないが、楽しげに笑い合っていて、どう見ても旧知の仲だ。

景凪が、影山クラスの男と知り合いだったとは。深雲はまったく知らなかった。

彼の記憶の中の景凪は、常に自分の周りを回っているだけの女。独自の交友関係など、あるはずもなかった。

いったい、いつから……

はっと、深雲は思い出す。以前、妹の伊雲が「景凪が外で男と会っているのをこの目で見た」と騒いでいたことを。景凪に往来で叩かれたという、あの日だ。

景凪は「親切な通りすがりの人だった」と言い張り、深雲も調べたが、特に怪しい点は見つからなかった。

それに、もとより景凪を毛嫌いしている伊雲だ。話が大袈裟なのだろうと、本気で取り合わなかったのだ。
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