家に戻ったとわこの胸の中は、ぽっかりと穴が開いたようだった。もともと奏がいつも即座に返事をくれるわけではない。もし今、自分が彼に株を求める立場でなければ、こんなに神経質にならなかったはずだ。スマホを握りしめ、何度も画面を更新する。それでも返事はない。とわこは瞳にLineを送った。「瞳、最近裕之とどう?」瞳「まあまあかな!彼、最近忙しいのよ」とわこ「じゃあ、彼にメッセージ送ったら、いつ返事してくれる?」瞳「見たらすぐ返してくれるよ。どうして急にそんなこと聞くの?」とわこ「昼に奏にメッセージしたんだけど、まだ返事がなくて」瞳「だったら電話してみればいいじゃん。絶対忙しくて見てないだけだよ。そうじゃなきゃ返してるはず」とわこ「そうだよね。だから電話はしないでおこうと思う。夕方には帰ってくるし」瞳「うん。とわこだって働いてるんでしょ?」とわこ「今日は蒼を予防接種に連れて行ったから、会社は休んだの」瞳「なるほど。にしても、こんなことで私に相談してくるなんて珍しい!ずっと奏のこと完全に掌握してるって思ってたのに、今は逆じゃん」とわこ「恋愛ってそういうものだよ。彼が私を想ってくれるし、私も彼を想ってる。お互いに支え合ってるの」瞳「そうだね!私も一度裕之と離婚してから気づいたんだ。彼がいなくても生きてはいけるけど、私は抜け殻みたいになっちゃった。本当に情けないよ」とわこ「もう過ぎたことだよ。これからは大事にし合えばいいんだよ」瞳との会話を終えても、奏からの返信はなかった。彼女はスマホを充電に繋ぎ、帰ってきたら直接聞こうと考えた。午後五時半、警護員がレラを送り届けた頃、スマホは満充電になっていた。とわこは充電器を外し、Lineを開く。やはり奏からの返事はない。胸の奥が冷たくなる。奏の電話番号を押し、電話をかけた。コールは鳴らず、すぐに無機質な音声が流れる。「おかけになった電話は、現在電源が入っていないか電波の届かない場所にあります」電池切れ?それとも会議で電源を落としてる?心臓が激しく脈打ち、嫌な予感がこみ上げてくる。彼女はすぐに子遠の番号を押した。幸い、すぐに繋がった。「子遠、奏はもう退社した?メッセージも返ってこないし、電話も繋がらなくて。そんなに忙しい?」子遠は一瞬、固ま
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