「じゃあ真さんの家の玄関に貼ればいいよ」結菜は頬を赤らめ、小さな声で言う。「将来、私が真さんと結婚したら、あそこは私の家になるし」とわこは結菜の手を引いてソファに座らせる。「結菜、この前よりだいぶ体調よさそうね。この調子なら、来年の春にはお兄ちゃんも二人のこと認めてくれるかも」「今、体重は四十キロくらい」結菜は素直に答える。「真さんに、身長的に四十五キロくらいが普通だって言われた」「うん、まだちょっと細いね。でも食べすぎもよくないよ。逆効果になるから」結菜は真剣に聞いて、うなずく。「とわこ、私、芝生で結婚式したい」「いいね。ガーデンウェディングってすごくロマンチックだよ」二人はそのまま、結婚式のあれこれについて盛り上がる。真はあまりに楽しそうな様子に、水を差す気になれない。まだ何も決まっていないのに、まるで式が目前のような盛り上がりだ。「蓮、帰国してからの生活はどうだ」真は一人で座っている蓮に声をかける。「ここは僕の故郷だから」「そうか。父親とのことは……」「真おじさん、父と真帆のこと、知ってますよね」「知っている」真は彼の気持ちを察する。「今は勉強に集中しろ。大人の問題は大人が解決する」蓮は何も答えない。もし奏が母を傷つけるようなことがあれば、黙って見ているつもりはない。「結菜と結婚したら、ちゃんと大事にしてください」蓮はふいに口を開く。「もちろんだ」「怒らせたらだめです。基本は全部、結菜の言う通りに」真はすぐにはうなずかない。「それが間違っていると分かっているなら、従うわけにはいかない」「まずは聞いて、それからちゃんと話せばいいです。ケンカもダメ、責めるのもダメ」真はうなずく。「将来、いい男になるな。きっと奥さんを大事にするタイプだ」蓮の顔が一気に赤くなる。「結婚したくない」「どうしてだ」「理由はない。したくないだけ」「それはまだ、心を動かされる相手に出会っていないからだ。出会えば考えは変わる」真はそう言って、結菜のほうを優しく見やる。「僕も一人で生きていくと思っていた。でも結菜と出会って、世界が変わった。あの子は本当にまっすぐで、純粋で、無邪気で、かわいい……」あまりの甘さに耐えきれず、蓮はキッチンへ逃げ込む。真の母は蓮が空腹だと思い、ご飯を用意する。時
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