それ以来、亜の個展には必ず羽川理也(はかわ りや)が現れ、さらに彼は高額で彼女の作品を買い取るようになった。好きでもない相手にそこまでされるなんて、それはもう偏執だ。海咲は一瞬、何を言っていいかわからなかった。その時、彼女のスマホが「ピンポン」と鳴ったが、海咲と亜は同時に画面を覗き込んだ。大学の同級生グループからだった。送信者は浩。【来週月曜、我らがクラス委員の高山翔くんが紅葉館で息子の満月祝いの宴を開きます。同時にクラス会も兼ねていますので、みなさんぜひご参加ください】「ちょっと意味わかんないんだけど。なんで翔自身が連絡してこないの?なんで浩が代理で連絡してんの?」と、亜はすかさず
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