「柴尾鈴さんが自分のお姉さんに薬を盛ったって?」それを聞いた栄達はかなり驚いていた。「そうよ。うちの唯花さんは、咲さんの命を救ったも同然よ。彼女はとっても良い事をしたのよ。それなのに、あの口の悪いふざけた人たちが唯花さんのことを、他人事に首を突っ込むお節介女だなんて言ってきたんですからね。それから、唯花さんが余計なことをしたから、柴尾夫人と鈴さんを怒らせた。柴尾社長は身内に甘いからそんなことすると、良くないとも言われたわ。だからなに?私だってうちの子たちには甘いですけど。私の息子のお嫁さんよ、彼女が誰を怒らせようとも構わないわ!唯花さんの行いが正しいのであれば、たとえ彼女が世界中の全ての人間を敵に回したとしても、私がしっかり守ってあげる。ほんっとに頭にきたわ。この私のところにまでそんなでたらめを言って唆しに来たのよ。結城家は今争い事もなく平穏に暮らしているのよ。そんな私たち家族の関係を壊す悪者に私を仕立て上げたいってこと?」栄達は笑って言った。「私の妻はとても聡明だから、そんなのにひっかかるわけなんかないだろう」「ものすごく腹が立つっていうのに、あなたはそんなケラケラ笑っちゃって。唯花さんはあなたの義理の娘でもあるのよ。言っておきますけどね、今後、もしあなたが外で、誰かがまた彼女のことを田舎娘だとか、何も知りもしない青二才だとか、他人の事に首を突っ込むなとか言ってきたら、その場でガツンとそいつを懲らしめるのよ!」この時、麗華は本気で怒り狂っていた。麗華自身も唯花は一般家庭出身で、長男とは身分の差があまりにも大きすぎると思っている。しかし、彼女が唯花のことを嫌うのはいいが、他人が唯花に対してそのような態度を取ることは許せないのだった。唯花の出身を皮肉ったり、批判したりなどもってのほかだ。それに、姑である麗華は唯花に対してとても温和でいる。今までに唯花に不機嫌な態度を取ったり、何か批判したりなどもしていないというのに、どうして他人が彼女のことをどうこう言えるのだろうか?栄達は焦ってこう言った。「わかった、わかった。もう笑ったりしないから。君がそんなふうに唯花さんのことを庇うなんて、私も鼻が高いよ。唯花さんのことは、私たちが守ってあげなくても、理仁一人で守ってあげられるさ。星城では我が物顔で好き勝手できるくらいにね。一年も経たず
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