Semua Bab 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Bab 1571 - Bab 1580

1586 Bab

第1571話

姫華が善に答えた。「たぶんそうだと思う。だけど、今まで一度も彼を見かけたことはないわね。白鳥家の人たちってあまり目立って行動しないから」善はひとこと「そうですか」と返した。彼も白鳥家に注目したことはなかった。白鳥家は星城でビジネスを展開しておらず、アバンダントグループも彼らとは提携関係にない。一家全員が控えめに暮らしているので、善は当然白鳥家のことを気にしたことはなかったのだ。しかし今、彼はあの白鳥一颯には目を光らせておかなければならなくなった。なぜだかわからないが、善は一颯が恋のライバルになりそうな予感がしたのだ。姫華のほうは今善が一颯を恋敵になるのではないかと、警戒心を持ち始めたことなど知りもしなかった。彼女は善に尋ねた。「お休みの期間は、お家に帰らないの?」善は「数日の休みですからね、わざわざ帰るには短いんです。ここの内装工事もちゃんと確認しておきたいですし」と返した。彼はじいっと姫華を見つめて、また言った。「僕は、姫華さんと一緒に実家に帰れればもっといいなって思ってるんですけどね」姫華はそれには返事をせず、ただ笑っていた。彼らはまだ恋人にもなっていないのだから、親に会うのはまだ早い。「お家に戻って、お母さんに薬付けてあげるわ」「わかりました」善はこの時は、いつものように図々しく姫華について行くのはやめておいた。彼は屋敷の門の前で、姫華が帰っていくのを見送ってから、自分の家のほうへ振り返って去っていった。それから数分後。善は一人で車を運転し、出かけていった。そしておよそ三十分ほどで、また戻ってきた。戻ると、車は直接神崎家の門の前に止め、クラクションを鳴らした。するとすぐに、神崎家の使用人が出てきて、善を見ると門を開き、車を敷地内へ通した。善は車を駐車すると、さっき出かけていって買って来た物を手に持ち、使用人に案内されて屋敷へ入っていった。将来の義母が足を怪我したと聞いたので、彼はお見舞いに来たのだ。まさか手ぶらで訪問するわけにはいかない。あの時姫華の後ろを図々しくついて行かなかったのは、外で手土産を買ってくるためだったのだ。この時、詩乃はすでに薬を塗って手当てした後だった。彼女は娘の前で白鳥一颯がいかに素晴らしいかを力説していた。もし彼が心優しくも車を止めて送って来
Baca selengkapnya

第1572話

しかし、理紗は神崎家のメンバーはみんな姫華を遠くに出したくないと、二人の仲には消極的だということもわかっている。善がいくら完璧な男であったとしても、A市の人間であることは変えられない。A市は星城からは遠く離れていて、飛行機でも二、三時間はかかってしまう。もし桐生家が星城出身で、善が姫華のことを好きだというのであれば、神崎家の全員が絶対に大歓迎したはずだ。今のような状況にはなっていない。玲凰は妻の手を軽く握り、そうであっても口に出すなと合図を送った。とりあえずどうなるか静かに見守ってみよう。玲凰が最も可愛がっているのが妹の姫華だ。彼は善は良い奴だと思ってはいるものの、やはり妹を遠くに行かせたくないのだった。もし、妹に星城で他にも選択肢があれば、善が妹を連れ去ることには同意するはずない。善のプレッシャーといったら、言うまでもない。相思相愛になれたとしても、彼女と一緒になるのはそう簡単ではなさそうだ。姫華は別に他のことは何も考えていなかった。彼女は一颯が母親を送り届けてくれたから家族たちが感謝するのは当然だとくらいしか思っていない。母親の話を聞いた後、彼女は言った。「お母さん、白鳥さんが助けてここまで送ってくれて、みんな本当に感謝してるし、彼に時間がある時に是非食事に来てくださいって誘っておいたの。お礼をしようと思って」詩乃は言った。「それはもちろんよ。お食事に誘うことで感謝の気持ちを表さなくっちゃ。私もそれで直接感謝の気持ちを伝えられるわ。もう数十年くらいどうしようかって困り果てる状況になったことはないわ。あの時は心の底から助かったの。それでたまたま白鳥さんが通りかかって本当に良かった。他の人みたいに無関心に通り過ぎたりしないで、車を止めて降りて心配してくれたのよ。私にどうしたのか尋ねてきて、家まで送ってくれて」詩乃はこれでもかと一颯のことを褒めちぎっていた。姫華には母親のような企みなどないので、今まさに自分が罠にかけられつつあるということに気づいていない。姫華はそれに答えた。「わかったわ。お食事に誘って母さんには感謝の気持ちを伝えてもらいましょう。私たちだって彼にはすごく感謝してるんだから、お母さんも、そこまで褒める必要なんてないのよ」「あなたって子は、私は助けてもらったんだから、褒めるのは当然でしょ。彼は実
Baca selengkapnya

第1573話

善は詩乃から冷たくあしらわれても、姫華を手に入れるためには、平然とそれに向かい合うのが一番だ。彼はやはり心配した様子で詩乃に尋ねた。「おば様、足を怪我されたと聞きましたが、薬は塗りましたか?いくつか捻挫や打撲に効くお薬を買ってきました」彼の言葉を聞いて、姫華は袋を開いてみた。本当に大きな袋の中には薬局の袋が入っていた。その袋の中には打撲や捻挫を治す薬がいくつも入っている。「善君、うちには常備薬があるから、もう薬なら塗ってあるよ」姫華はそう言った。しかし、善が母親のために薬を持って来てくれたことに、姫華は心がとても温かくなるのを感じた。善が家族のことを気遣ってくれるのは、自分のことをとても大切に思ってくれている証拠だ。異性からこんなに大切にされると、心がここまで温かくなるものなのか。以前、彼女が理仁を追いかけ回していた頃、彼はチラリとも彼女に目を向けることはなかった。大切にされる、されないどころではない。「薬を塗ってあるなら良かったです。もし、なかなか治らないようなら病院で診てもらったほうがいいです。レントゲンを撮って骨にヒビが入ってないかとかきちんと確認されたほうがいですから」詩乃はこの時もまだ淡々としていた。「レントゲンは必要ありませんよ。ただの捻挫ですから、暫く休んで、毎日薬を塗っておけばいいのです。心配してくださってどうも」善はそれにひとこと「ええ」と返して、姫華が座ると、彼は彼女のすぐ横に腰掛けた。詩乃はそんな彼の行動を見て、あまりの怒りに理性まで失いそうだった。「桐生さんのお宅はまだ内装工事中なのでしょう。いろいろと忙しいのでは?私も大した怪我ではありませんので、心配なさらないで結構です。わざわざお見舞いに来てくださってありがとうございました。それにこんなにたくさん持ってきてもらっちゃって、うちは何か足りないものはありませんから、お気持ちは受け取っておきますわ。玲凰、あなた、桐生さんを外までお見送りして」詩乃は娘と善が一緒に座っているのを見たくなかったので、善を帰らせようとその言葉を吐いた。この時、善は穏やかな笑顔を保ったままだった。詩乃はこの男の全く動じない様子には感服するしかなかった。さすがは傑出した人物、毎回彼女から冷遇され、嫌な顔をされても常に礼儀正しく、微笑みを絶やすことはない。「も
Baca selengkapnya

第1574話

善の兄である蒼真が遥と結婚したばかりの頃、遥が蒼真の正体を知ってから離婚を突き付けたことがある。遥の母親があの手この手で二人を離婚させようとしたが、蒼真は全く気にしなかった。実際の行動で遥への誠意を示したのだ。義母が持つ全ての心配事を解決してしまったおかげで、蒼真と遥は今のように相思相愛でいられるのだ。それに詩乃からこのように冷たい眼差しを向けられるのは今に始まったことではない。詩乃が善の目論見に気づいてから、彼に対して良い態度を見せたことはなかった。普段、詩乃は姫華に気づかれないように細心の注意を払っていた。それが今姫華の前でも隠さず冷たく当たってくるようになり、彼女が善と姫華の仲をなんとしても引き裂こうと決めたのだと善は理解した。姫華と結婚できるまで、まだまだ長い旅路となりそうだ。善は優雅にそのお茶を飲み、詩乃への気遣いもしっかり忘れなかった。彼は三十分かけて、そのお茶を空にしたのだった。カップを置くと、彼はやっとこう言った。「おば様、それではこの辺で失礼いたします。これから内装の様子を見に行ってきます」姫華は母親が突然善に冷たく当たるようになったのを見て、善の気持ちを心配し、立ち上がって見送ろうと思った。それで母親に言った。「お母さん、善君のお見送りしてくるわね」詩乃は何か言いたげにしていたが、結局は何も言わず、厳しい顔つきで娘が善を送るのを見つめていた。善が買って来た物に関しては、詩乃は善が部屋から出て行った後、息子夫婦にこう言った。「玲凰、理紗さん、彼が持って来た物は全部捨ててしまってちょうだい。見ているだけでイライラするわ」理紗が言った。「お義母さん、桐生さんは良かれと思って持って来てくれたんですよ。彼と姫華ちゃんは友人で、私たちのお隣さんでもあります。お義母さんが足に怪我をしたと知って、薬を持って来てくれたのは、お隣同士の仲でもあります。捨ててしまうのは失礼なのでは?」玲凰もすかさず話し始めた。「姫華と彼はとても仲が良さそうだ。それに姫華は彼のことを庇ってもいたし、母さんがそれを捨てさせようとしたら、姫華が気づいた時ものすごく怒ると思うぞ」詩乃は不機嫌そうに顔を暗くさせた。「あの男は明らかにあなたのたった一人の妹を連れ去ろうとしているのよ。それなのに彼を庇うっていうの?」「母さん、俺だって姫華が結
Baca selengkapnya

第1575話

詩乃が言った。「絶対よ、早めに話しなさい。あの二人の仲がもっと深まる前によ。特に姫華は今も結城さんのことになると、心の中ではモヤモヤしているんだから、私が知らないとでも思う?」ただ理仁は姪の夫だから、詩乃も何も言えないだけなのだ。それで、理仁は必要でなければ、神崎家には現れていない。彼が神崎家に来るのはいつも唯花のためだった。玲凰は言った。「母さん、姫華ならもう結城社長のことはスッパリ諦めてるよ。あいつが彼に会った時だって、平然としてるじゃないか」そしてすぐ彼は続けた。「母さん、その捻挫は本当に偶然だったのか?あの白鳥一颯さんはどういうことなんだよ。まさか白鳥さんと姫華が出会うきっかけでも作ろうと思ったのか?白鳥さんは結城社長の従兄弟だぞ。白鳥家がいくら目立たないって言っても両家は親戚同士だ。これは変えようのない事実だぞ」詩乃は言葉を詰まらせて、また部屋の入り口に目をやった。娘が戻らないことを確認してから口を開いた。「ここ星城で、うちと家柄が対等な家は多くないの。白鳥さんは結城さんの従弟ではあるけど、二人は同い年よ。白鳥さんのほうが数カ月遅れて生まれてきたの。大人で落ち着いていて、気品のある人だわ。彼と桐生さんは似たタイプだわ。姫華が桐生さんと打ち解けたってことは、今後きっと白鳥さんとも気が合うはずよ。あの子と結城さんのことはもう過去のことだし、結城さんは一度も姫華のことを好きになったことだって、期待させるような言葉をかけてもいないし。白鳥さんだってこのことはよくわかっているはず。彼が姫華のことを好きになって、二人が一緒になれれば、とっても良いことだと思うのよ。どのみち、私は姫華と桐生さんの仲を引き裂くことができれば、それでいいんだし」そして詩乃はまた入り口のほうへ視線を向け、声を小さくした。「もう一度、星城に住んでいる方でうちの姫華に合う人がいないか調べてみるつもりよ。何人か姫華を好きになる男性を手配するのよ、それが演技でもいいんだし。二人が一緒になるのを阻止できるのが一番だわ。結局姫華が桐生さんを受け入れて一緒になるとしても、何人か恋敵がいたほうが彼へのプレッシャーになるの。危機感を覚えて、彼は将来姫華のことをもっと大切にするはずよ」玲凰「……」玲凰はさっき母親が一颯のことを絶賛するのが行き過ぎていると思っていたが、や
Baca selengkapnya

第1576話

「姫華さんは僕が人生で初めて好きになった女性なんです」この時善は真剣な表情で、その瞳に姫華への気持ちを溢れさせ言った。彼は本当にどんどん彼女のことを好きになっていた。「善君、その気持ちはよくわかってるわ。ただ、ちょっと突然告白されたものだから、ちょっとだけ考える時間が欲しいだけ」善はそれに理解を示した。「わかりました」彼も姫華を急かすようなことはしなかった。「私、もう帰るね。善君じゃあね」善にこのように見つめられて姫華はちょっと恥ずかしくなってしまった。おや。私もこんなふうに恥ずかしいこともあるのかと姫華は思った。姫華は昔から細かいことにはこだわらず、はっきりとした性格をしている。まっすぐな子で、わがままだから人から嫌われやすい。彼女自身もまさかそこら辺の女の子のようにこんなに恥じらうとは思っていなかっただろう。善は彼女を引き留めることはせず、一緒に家を出て神崎家の門まで送った。そしてそこで立ち止まり、姫華が帰っていくのを見送った。姫華の姿が見えなくなってから、ようやく振り返って歩き出した。その時携帯を取り出し、理仁に電話をかけた。そう、彼は直接理仁に電話をかけることにしたのだ。白鳥一颯は理仁の従兄弟だから、彼が一体どのような人物なのか理仁ならよく知っているはずだ。すると理仁はすぐに電話に出た。「結城社長、ちょっとお願いしたいことがあるんです」「桐生さん、何でしょう。俺に手伝えることならもちろん手を貸しますよ」互いの会社は深い付き合いがあるから、善の顔を立てるのは当然だ。「白鳥一颯さんは結城社長の従兄弟さんなんですよね?」「一颯ですか、ええ、そうですよ。俺の従兄弟ですが、どうかしましたか?何か彼とあったんですか?」理仁は気になって尋ねた。「何が原因ですか?一颯は結構寛大な奴で性格も良いんです。誰かと喧嘩して衝突するようなことはほとんどないんです」もし、一颯と何かあったのなら、理仁はまずその相手を疑うほど、彼の性格は良いと思っている。「いいえ、僕と白鳥さんとはちらりとお会いした程度で、別に何かあったわけじゃないんです。笑われてしまうかもしれませんが、なんだか彼が僕の恋のライバルになりそうで、彼の人柄など教えてもらいたいなって思って電話したんです」理仁「……」善がこの
Baca selengkapnya

第1577話

理仁は最初どう返事すればいいかわからず、少し考えて笑って言った。「桐生さん、そんな、何をおっしゃっているんですか。一颯がどうして桐生さんの恋のライバルになると?彼は三年前に五年間付き合っていた彼女と別れてからは、ずっと恋人はいませんよ」善が好きなのは神崎姫華だろう?一颯は姫華のことは知っている。しかし、彼は姫華とは全く接点などないはずだ。一颯も姫華を好きになることはないだろうし、善の恋敵にはなり得ない。「白鳥さんは今日初めて姫華さんに出会ったようで、彼が姫華さんのことを好きだと決めつけるのは確かにまだ早いです。僕の杞憂なだけなんでしょうけど、神崎夫人の行動を見ていると危機感を覚えるんです。それでお恥ずかしいことですが、白鳥さんのことをちょっと調べておこうかと思って。」珍しく理仁が人の恋バナを聞いているのを察し、唯花が興味津々に近寄ってきた。理仁は善に尋ねた。「桐生さん、一体どういうことなのか、もう少し具体的に教えてもらえませんか?一颯のことを知りたいって、具体的に何を知りたいですか?」善は事の経緯を理仁に説明した後、こう言った。「ただ、白鳥さんが結城社長の従兄弟さんであることと、未婚で彼女がいないことがわかっただけで十分です」もし一颯が結婚しているか、もしくはもう彼女がいれば、恋のライバルになる心配をする必要はない。姫華はプライドが高い。もし、一颯にはもう彼女がいると知れば、絶対に交流を持つことなどしない。そんなことをすれば誤解を生んでしまうからだ。彼女の理仁に対する態度と同じだ。理仁がもう結婚していることを知ると、すぐに諦めたからだ。彼女には譲れないプライドがある。彼女はあの神崎家のお嬢様なのだから、誰かの男を奪わなければならないほど落ちぶれてはいない。「桐生さん……それは、ただ疑心暗鬼になっているだけでしょう」どういうことなのか事情がわかり、理仁は笑った。まだ起きてもいないことに善がビクビクしすぎだと思った。一颯がただ姫華と知り合いになり名刺を渡しただけで、すでに恋敵認定しているのだから。ただ疑心暗鬼になっているだけでなければ、他に何がある?善はただ黙って理仁に笑われておいた。「確かに僕は過剰に反応しているだけなのかもしれません。やっと結婚したいと思えるほど、好きな人に出会えたんです。他
Baca selengkapnya

第1578話

「一颯は君の伯母さんを家まで送り届けて、その後、神崎嬢が彼を見送りに外に出てきたらしい。そこをちょうど桐生さんが目撃したんだ。彼はそこから変に考えすぎて、一颯を恋のライバルと思い込んだんだよ。それで俺に一颯について聞くために電話をかけてきたんだ」唯花はすぐに尋ねた。「伯母様の怪我はひどかったの?」「捻挫だよ。薬を塗ったら問題ないさ。神崎家にだって専属の訪問医がいるから。その医者も来ていないって言ってたから、きっと大した怪我じゃないさ、心配しなくていいよ」それでも唯花は姫華にメッセージを送って尋ねた。それから、伯母に電話をかけて、大した怪我ではなく薬を塗って数日休めばすぐよくなると言われ、ようやく安心した。「桐生さんは本気で姫華のことが好きだからよ。好きすぎて、ついつい余計なことまで考えちゃったのよ」理仁は理解して言った。「実際、誰だってさ、好きな人が他の誰か異性と一緒にいたら、ただ話してるだけだったとしても警戒心が生まれるものだからね」彼も昔は金城琉生に相当警戒していた。その結果、琉生は本当に唯花のことが好きだった。だから、男の直感というものも当たるものなのだ。「私はそんなことはないわよ。今まで一度だって、あなたがやましい事してるんじゃないかって疑ったことないもの」唯花は笑って言った。理仁に見つめられると、彼女は手を彼の顔に当てて、軽くつねった。「あなたはとってもカッコイイけど、いつだって人を遠ざける雰囲気を出してるからね。若い女の子にはすごく冷たくしてるし、あなたのことを好きな女性はもしかしたらたくさんいるのかもしれないけど、誰も告白したりしないし、追いかけるような勇気もないわ。だから、私は不安にならないのよ。ふふ、理仁、あなたが誰かに冷たい態度を取るのはとっても良いことね。少なくとも、私はあなたが誰かに取られるんじゃないかって心配する必要ないもの。あなた自身が誰かを好きにならない限り、誰も私の傍からあなたを奪っていけないわよ」すると、理仁は自分をつねった彼女のその手を掴み、口元に引き寄せてキスをした。「俺は君が誰かに取られてしまうんじゃないかと不安だぞ。あの金城琉生という男一人だけでも、俺は発狂しそうだったからな」「まあ、私たちはお互いに心配する必要はないわね。私があなたの妻だって知ってから、誰も私に思いを寄せ
Baca selengkapnya

第1579話

一方、理仁との通話を終わらせた善は、引き続き内装工事の様子を確認していた。その時、花屋に電話をかけて、夕方頃大きな薔薇の花を届けてくれるよう注文した。そして時間はあっという間に過ぎた。太陽が西の空に傾いている。花屋は善の注文通りに、大きな薔薇の花束を届けた。善は代金を支払い、それを抱えて神崎家へ向かった。両家は非常に近く、歩いて二分かからず神崎家の門の前に到着した。善がインターフォンを押そうとした時、玲凰が玄関から出てくるのが見えた。とりあえず、押そうとした手を止め、玲凰が来るのを待っていた。そして二分後。玲凰が善の前に立ち止まった。二人の身長はほぼ一緒で、オーラを放ち互いに視線を合わせた。「その花束……目立つなぁ!」玲凰のほうが先に口を開いた。善のことは認めている一方、善が本気で妹を追いかけ始めると、玲凰は父親のような気持ちになっていることに気づいた。それで善の持っている花束をゴミ箱に放り投げて、失せろと叫んでしまいたかった。うちの子に近づくなと吐き出してしまいたい。善は花束のほうへ視線を向け、怒ることなく言った。「色が鮮やかですので、目を引きますよね。目立つといえば確かにそうですが、綺麗なものは目立って当然です。姫華さんはお家にいらっしゃいますよね」善は神崎邸の動きには注意していたので、姫華が午後ずっと家で母親に付き添っていることはわかっていた。玲凰と理紗夫婦も外出していない。航と次男の昴二人が今は不在だ。お隣同士になるメリットは、こうやって相手の家の誰がいるかいないかを把握できるところだ。「こんな時間に尋ねてきて、桐生さんはまた食事しに来たのか?」善は微笑んで言った。「姫華さんが是非と言うから、断ることなんてできませんよ」玲凰はこの時心の中で、この図々しい野郎が、と罵っていた。明らかに善が帰ろうとせず、食事にありつこうとしている。妹はただ礼儀と気遣いから彼を食事に誘ってやっているというのに。「桐生さん、ちょっと話そうか」玲凰が言った。善は含み笑いで頷いた。「いつでもいいですよ」「お前んとこ行くぞ」善は少し考えてから、それを受けた。二人は善の邸宅に戻ると、善が玲凰を東屋に座らせて申し訳なさそうにこう言った。「今中は内装中で、ごちゃごちゃしてますので
Baca selengkapnya

第1580話

玲凰は少し黙ってから、返事した。「遠くはない、のだが……」「神崎社長」善は真剣な表情で言った。「僕は姫華さんのことが本気で好きです。結婚を視野に彼女にアプローチしているんです。絶対に諦めませんよ。僕も神崎家の皆さんが何を心配しているのかわかっています。だから、僕はこの家を購入したんです。アバンダントグループの星城でのビジネスを僕は任されていますから、長期的にここで暮らす予定です。A市には滅多に帰りません。姫華さんが僕と結婚してくれたら、ずっと星城で、この家で生活するつもりです」彼はここまですれば十分自分の誠意を示していると思っていた。「未来のことなんて誰にもわからないだろう。どうなるか保証できるか?桐生さんがうちに婿養子として来るってんなら、母さんも受け入れるか考えるだろうけど」「おば様が婿養子になってくれと言うなら、僕は喜んでそうします。うちは兄が両親の傍にいますから」玲凰「……」詩乃はこのような話まではしていない。彼女は姫華を遠くへ嫁に行かせはしないと開口一番に反対したのだ。「神崎社長、僕はみなさんの心配なら十分理解しています。さっき言ったことは必ず約束します。きっと口だけでいつかは僕が変わってしまうのじゃないかと心配されるでしょう。でも、人の良し悪しを判断するには長い時間がかかります。僕に実際の行動でさっき言ったことは絶対に嘘じゃないと証明させるチャンスをくれませんか?」玲凰は黙っていた。彼もそれにどう返事をすればいいのかわからないのだ。暫く黙っていて、玲凰は口を開いた。「母さんに頼まれた通り、桐生さんとは話をしたから、これで失礼するよ」善は立ち上がり神崎家の前まで見送った。玲凰が家に入ると、彼はインターフォンを押した。するとすぐに使用人が出てきた。「桐生様、先ほど、うちの坊ちゃまが戻ってきましたが、彼に会いませんでしたか?」使用人はよくわからず尋ねた。それに、邸宅の門は閉まっていない。善は穏やかに笑った。「神崎社長は私より数歩先を歩いていらっしゃったので、追いつけなかったんです。だから鳴らすしかなくて、小林さん、姫華お嬢さんに会いに来たんですが」小林は彼が花束を抱えていたので、すぐに理解し言った。「桐生様、少々お待ちください。お嬢様に伝えてまいります」「よろしくお願いします」
Baca selengkapnya
Sebelumnya
1
...
154155156157158159
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status