「辰巳、今年中に咲さんと結婚できるように頑張りなさいよ」辰巳は自信たっぷりに言った。「もちろん、今年中には母さんも嫁に会えるさ」「はいはい、じゃ、邪魔したわね。私はこれから栄達さんのところへ行ってくるわ」辰巳はひとこと「わかった」と返事し、母親が電話を切るのを待った。薫子は息子との電話を終わらせると、立ち上がって出かけていった。薫子は麗華、麻実の二人とはまるで本物の姉妹のように仲が良い。理仁夫妻が帰ってきたと知り、彼女も麻実も本家へと向かった。本家のほうはとても賑やかになっていた。その中で最も人気だったのが、お利口で可愛らしい陽だ。この日は風の強い日で、芝生で凧あげをするにはうってつけの天気だから、蓮は陽を連れて遊びに行きたがった。そこへ理仁が蓮に尋ねた。「休みの宿題はもう終わったのか?」蓮は得意げに言った。「昨日の夜にもう終わらせたよ。そうじゃなかったら理仁兄さんに会う勇気なんてないよ」「どうやら宿題は少なすぎるようだな。たった一晩で終わってしまうのだから」蓮は高校二年になったばかりで、三年になるまでもまだ時間があるから、気持ち的に楽な時期だ。「そんなことないよ。教科ごとにめっちゃ宿題出されたんだからね。昨日は深夜までずっと宿題やってようやく終わらせられたんだぞ。休みに兄さんたちと一緒に遊ぶために頑張ったんだからな」これまで、こういった連休には宿題をせねばならず、それを終わらせない限り、兄たちに遊びに連れて行ってもらえないのだった。そして蓮は非常に頭が良く、毎回休みに入ると、夜中を過ぎたとしても初日に必ず宿題を終わらせていた。そうすれば堂々と兄たちと休みを満喫できるからだ。「お前には何冊も問題集を送ってもらおう。多めに問題を解いて、たくさん勉強するんだぞ。良い大学を受験して、兄さんたちに恥をかかせるんじゃないぞ」それを聞くと蓮は少し表情を暗くさせて、陽を抱いたまま唯花のほうへ向き言った。「唯花姉さん、理仁兄さんのことしっかり見張っててくださいよ。こんな連休なかなかないんですから、宿題だってもう全部終わらせたんです。それなのに、休まず問題集を解けだなんて、兄さんたちと一緒に遊びたいのに」蓮は初めて唯花に会った時に、しっかり彼女と仲良くなって関係を築いておいた。彼はその時、あのいつも偉そうで他
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