「唯月さんと陽君も来ていますよ。俺は本当におばあ様に会いに来たんです」隼翔は東屋へと進み、座っておばあさんがラジオ体操を続けるのを見ていた。そして言った。「以前、祖母がまだ生きていた頃、あなたと一緒に体操をしろって言っていたのに、全然聞かなかったんです」彼の祖母は結城おばあさんと同年代だが、健康面ではかなり劣っていた。結城おばあさんのほうは今でも健康的で、誰かに付き添ってもらう必要もなく、飛行機に乗って世界中を飛び回れるくらいだ。それに孫に罠をしかける時には、頭の回転もかなり早い。それと違い隼翔の祖母はもう天国に旅立ってから長年経つ。「あなたのおばあ様こそ正真正銘良家の品格のあるお方よ。私のような落ちぶれた家とは全然違うわ」「なにが落ちぶれた家ですか、結城おばあ様だって良家出身で品格のある方ですよ」おばあさんは笑って言った。「私の曾祖父が生きていた頃は、うちの実家もまあ名家と言えたんだけど、私が生まれた後は衰退していったわ。お宅のおばあ様は死ぬまで優雅だったわ。私みたいな荒くれもののばあさんとは比べられないわよ」彼女は体操を終わらせると、動きを止めた。そして隼翔はサッと駆け寄って彼女の体を支えようとした。おばあさんはそれを断った。そして興味津々な様子で彼に言った。「隼翔君、ちょっと稽古しない?私はかなり長いこと体を動かしてないのよ」隼翔はすぐに勘弁してくれという顔で笑った。「おばあ様、それだけは許してください。そんな、あなたと稽古をつけるだなんてできませんよ」「別に負けたって責めないわよ」「それでも、おばあ様はお年ですから、もし俺が力加減を間違えて怪我させたらどうするんですか。そんなことになれば、俺は結城家にとって大罪人ですよ。今後、結城家には一歩も入れてもらえなくなります。俺にはデメリットしかありません。理仁に稽古つけてやってください」その時、理仁の声が聞こえてきた。「隼翔、俺まで巻き込む気か」彼は陽を抱っこしたまま東屋へとやって来た。「ばあちゃん」おばあさんは理仁に返事した。陽はお利口に挨拶して、おばあさんが笑顔で彼を抱き上げた。「陽ちゃん、会いたかったわ」唯花と唯月の二人は後からやって来た。「おばあちゃん」「おばあ様」おばあさんはとても嬉しそうに笑っ
Read more