「妊娠して三か月の間は気をつけないといけないんだ。君が旅行したいなら、子供が生まれてからまた行こう。もう遊びたくないって言うまで思いっきり遊ばせてあげるからさ」悟は明凛にそう約束した。今はお腹の中にいる子供を大事にしなければならない。明凛は健康そのもので、妊娠したばかりだから、少し気をつけておけば何も問題はない。しかし、悟は安心することができず、明凛の妊娠が発覚すると、すぐに旅行を中断して、彼女を連れてすぐに帰ってきたのだ。しかも弦に頼んで、九条家のプライベートジェットを借りるまでしてだ。弦は従弟の妻が妊娠したと聞き、それはとても大ごとだと思い、悟が電話して頼んでくるとすぐ夫婦二人にプライベートジェットを用意し帰らせた。悟は九条家の若者世代の中で最初に結婚した人間だ。明凛のお腹の中には九条家にとって、孫世代にあたる初めての子供がいるのだから、一族がこの知らせを知るとみんなが盛り上がった。二人がまだ帰って来る前に、親戚一同これでもかと妊婦に良いものをたくさん送ってきた。年配者の中には、子供が生まれた後のベビー用品まで大量に送りつけてきたのだった。一族みんなからここまで明凛のお腹にいる子供が重要視されて、悟も気が気じゃなかった。「出産したら、子供が大事すぎて旅行になんか行けないでしょ?さっさと唯花と姫華を入れてあげてよ」明凛が起き上がろうとしたので、悟は慌てて彼女をベッドに押し付けて言った。「ちゃんと横になっているんだ。すぐドアを開けるから」悟は明凛がベッドからおりてこないように、すぐにドアを開けに行った。「九条さん、こんにちは」悟の姿を見ると、唯花と姫華はそれぞれ彼に挨拶した。「二人ともいらっしゃい。明凛は部屋で休んでますよ」悟は微笑んで道を開け、二人を部屋の中に通した。唯花が通り過ぎる時に、彼は小声で話しかけた。唯花は立ち止まり彼のほうを見た。「明凛が勝手にベッドからおりてあちこち歩き回らないようにしっかり見ててください。数時間もかけて帰ってきたから、絶対疲れてるはずです。でも、じっとしていられない子だから、俺が居なくなるとサルみたいにおとなしくしてくれなくて」唯花は笑って言った。「わかりました。代わりに彼女が歩き回らないようにしっかり見張っておきます」それを聞いて悟はようやく安心し、部屋を
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