All Chapters of 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Chapter 1931 - Chapter 1932

1932 Chapters

第1931話

弦はコップを置くと、詩乃に別れの挨拶をして立ち上がって帰っていった。善の横を通り過ぎる時、弦は善の肩をぽんぽんと軽く叩いていった。善はすぐに詩乃に言った。「おば様、僕は九条さんを見送ってきます」彼は弦が一体どういうつもりなのかはっきりさせておきたかった。詩乃は黙ってそれを許可した。善はスーツケースを姫華に返すと、弦の後に続いて家を出ていった。そして外に出ると、善は尋ねた。「九条さん、姫華のことを本気で好きなわけじゃないとわかっています。どうしてこんなことをしたのか教えてくれませんか?」弦は立ち止まると後ろを振り向いて善を見つめ笑った。「今はまだお話できません。ですが、桐生君、もっと頑張って完全に彼女を手に入れないと、もしかすると本当に誰かに取られてしまうかもしれませんよ。婚約までこぎつければ、心配する必要はないでしょう」善は苦しげに笑って言った。「そうしたくないわけないでしょう?夫人が本当に頑固で、僕と彼女の関係を認めてくれないんです。僕たちは今も頑張っていますよ。何があっても姫華のことを諦めるつもりはありません。九条さん、あなたが一体どういう理由でこのようなことをするのかはわかりませんが、あなた相手ではかなりのプレッシャーを感じます」好きな人と結婚するのが、どうしてこんなに難しいのか。彼はどうして順調に姫華と結婚することができないのだろう。やはり順調に付き合い結婚した悟と明凛が羨ましく感じた。二人はほぼ喧嘩することなく、両家も非常に相手を気に入っていて、すぐに彼らの結婚には賛成してくれたのだ。悟は、はははと笑って、また善の肩を軽く叩いた。「そこまでプレッシャーを感じているなら、今後しっかり彼女を大事にしてくださいね。じゃないと、いつでも誰かが彼女を奪おうと狙ってきますよ。世の中にはあなたより優秀な男性はまだまだいるんですから」善は頷いた。「僕はずっと姫華のことを大事にしていますよ」それに常に危機感を持っている。少し前まで、詩乃が姫華と一颯の仲を取り持とうとした時、善は危機感を覚えた。しかし、幸いなことに一颯は詩乃の言う通りにはならなかった。それに詩乃にはっきりと自分は姫華のことは好きでないと態度を示していた。姫華は以前、一颯の従兄である理仁のことが好きだった。一颯は自分が姫華と結婚する
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第1932話

弦が一颯の面倒事を引き受けてくれたのだから、一颯はもちろん無条件で今回のことは秘密にしておくつもりだ。弦に注意されなくとも善は今回の件を誰かに話そうとは思っていない。噂になってしまえば自分にとって何もメリットがない。善は神崎邸の門の前で、弦が車を運転して遠ざかっていくのを見送っていた。甥と姪のお食い初めの時に一度A市に戻り、両親と兄夫婦に顔を出してもらえないか頼もうと善は考えた。善は本来、自分の誠意と心からの姫華に対する愛情に頼り、ゆっくり詩乃には自分のことを受け入れてもらうつもりだった。善も兄には、いくら時間をかけても気にしないと言っていた。彼と姫華が本気で愛し合っていれば、いつかきっと詩乃がこの現実を受け入れてくれるはずだ。善も自分の力だけで、好きな女性と結婚できるよう努力するべきだと思っていた。自分の力ではどうにもできない状況にならない限り、両親や兄夫婦に助けを求めたくはなかった。詩乃がまだ彼を受け入れないということは、つまり彼の誠意が足りないということだ。誠意が伝わらないのであれば、両親や兄夫婦に助けを求めたところで意味がない。両親と兄夫婦が星城に来た時は、それは結婚前の両家の顔合わせの時だ。弦の乗る車が見えなくなってから、善はようやく神崎邸に戻った。この時、ちょうど詩乃が姫華にどういうわけなのか詰問しているところだった。姫華は何度も繰り返し言った。「お母さん、もう聞かないでよ、私だってどういう事なのかわからないんだからね。ここ数日間は出張で外にいたのよ、毎日商談で忙しかったんだから。毎日、商談に行くか、唯花と明凛に電話して、仕事のことを話し合うかばかりだったよ。善君に連絡する回数だってすごく少なかったんだから。九条さんと連絡するのは言うまでもなく有り得ないでしょ。今だって彼の電話番号ですら知らないのよ。私が空港から出てきた時、彼はまるで地上に突然舞い降りてきたかのようだったのよ。いきなり私の荷物を取って、花束を押し付けてきたんだから。その時、私も一体何が起きたのかわからなくて呆然としちゃったわよ。お母さん、九条さんの話を聞くだけならいいけど、本気にしたらダメだからね。彼が私を好きになることなんて絶対有り得ないんだから。それに彼ずっと何かの任務をこなしているような態度だったし」しかし、一体誰に頼まれた任
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