All Chapters of 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Chapter 1941 - Chapter 1944

1944 Chapters

第1941話

玲のボディーガードたちが車を降りた。彼らは奏汰のほうへ近づいていったが、手を出すことはできなかった。以前、玲に恋し、追いかけてきていた女性たちと結城奏汰では身分が違う。それで、直接彼を捕まえて引きずっていくわけにもいかず、ただ説得を試みるしかなかった。「結城社長」あるボディーガードが丁寧な態度で話し始めた。「申し訳ありませんが、こちらの車が中に入れるように、車を移動していただけませんか」また別のボディーガードも穏やかな態度で頼んだ。「結城社長、それから玲様にはこれ以上つきまとわないでいただけませんか。彼は男性は好みではないのです」柏浜にイケメンならたくさんいるから、お前には回ってこない。しかし、主人は別に女性のことも好きではないようだと彼らは思っていた。彼らは玲に長年仕えているが、玲が誰か女性に優しくしているところを見たことはない。奏汰はボディーガードたちの話など無視して、玲が乗る車の窓をトントンと叩き、車から降りるか、窓を開けるかしてほしいと示した。「社長、結城社長」碧が小走りにやって来て、奏汰の肩に手を伸ばして言った。「結城社長、まずは車を移動させて車を通してください。家に入ってから話しましょう」それでも奏汰はまだ車内の玲を見つめていた。この時、玲は奏汰に対してかなり苛立っていた。最初の頃に持っていた奏汰に対する好感は、今日で完全に消え去ってしまった。彼女は心の中で、この厚かましい男のことを何千回と罵っていた。結城家の誰もこの男をどうにかしようとしない。理仁に訴えたのに、明らかに彼は従兄のプライベートな事に関わる気はなさそうだった。他の従弟たちが理仁にどうにかしろと頼みに行かない限り、彼も構うことはないのだろう。玲は心の中で、結城理仁はあの男の味方をしているのかもしれないと不満をもらした。何度か深呼吸をした後、玲は車のドアを開けて降りてきた。彼女は車を降りるとすぐに奏汰のほうに右手を伸ばした。奏汰はまず少し驚き、すぐに微笑んで手を伸ばして玲の手を掴もうとした。しかし、玲は彼の大きなその手を叩いて払いのけた。奏汰はどうしてこんなことをするのかという眼差しで彼女を見つめた。彼女は一体どういうつもりなのだ?手を繋いでもらいたくて差し出してきたわけではないのか?「車の鍵」
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第1942話

「そうです、兄は結城社長のことは好きじゃないんですよ。俺はあなたのことが好きですよ、結城社長、だったらやっぱり俺にしませんか?俺と兄は双子の兄弟ですから、そっくりでしょ、俺を選んだって同じことじゃないですか」ここで碧が割って入って来て、へらへらと笑っていた。この時姉にぎろりと睨まれて、碧は鼻をさすって、笑うのをやめた。奏汰は真っ黒な瞳でじいっと玲の端正な顔を見つめていた。彼女がロングヘアにして女性の格好をすれば、まるで女神のように綺麗だろう。きっと彼が出会ってきた女性の中で一番美人だ。「白山社長、誰かを愛する権利はこの世のみんな、持っているでしょう。あなたは俺の将来のパートナーです。あなたのことが好きだから、他の奴なんてどうでもいいんです。最初は俺のことを受け入れられないでしょうからそれは問題ありません。時間をかけて慣れてくれればと思ってます。俺も、時間をかけて行動でそれを証明してみせます。俺は本気ですよ。何があっても、絶対に目移りなんかしませんから」そして奏汰は碧をちらりと見て言った。「たとえ、その人が社長とそっくりだとしても、だめですからね」玲はこの男に何を言っても無駄で、これ以上言い合っても意味はないだろうと思った。そして彼女は背を向けて、車に戻った。「車を出せ!」運転手はすぐに車を出した。そしてすぐに玲の車は白山家の敷地内へと入っていった。奏汰はあの現金の花束を抱えて、屋敷のほうへ大きく足を踏み出した。玲のボディーガードは奏汰を止めようとした。奏汰も彼らとやり合うことはなかったが、彼らが道を阻むのは気にせず、向こうが自分に手は出せないことがわかっているかのように、花束を抱えたまま足を止めることはなかった。ボディーガードは奏汰の道を阻もうとしながらも、後退し、彼に手を出すべきかどうか迷っていた。このような相手に目をつけられては、本当にしつこくつきまとわれても、はっきりとした解決策がなくて、実に面倒だ。碧は車に乗り込む前に、姉のボディーガードたちに言った。「兄さんは結城社長を止めるよう指示は出してないから、邪魔する必要はないよ。それにそんなことしたって彼を止められないから。彼が門から入れずに壁をよじ登って、万が一落ちて怪我でもしたら、結城家にも言い訳がしにくくなる」姉ですら奏汰相手にはどうす
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第1943話

家に入ると、執事は奏汰にソファに座るように言った。「結城様、何をお飲みになりますか?」執事が恭しく尋ねた。主人はさっきここへ来た者はお客だから、きちんともてなすように言っていた。「お茶をください。ありがとうございます」「かしこまりました。少々お待ちください」執事はその場を離れ、奏汰にお茶を淹れに行った。碧が入ってきた時には、ロ―テーブルの上には果物やお菓子が並んでいた。碧は執事にしてもらうまでもなく、自分で冷蔵庫からドリンクを取り出して、蓋を開けて一口飲み、喉の渇きを癒やしていた。「今日は本当に暑いな。やっぱ冷たいものを飲むと気持ちいいな」執事が彼に注意した。「碧様、いきなり冷たいものを飲んで、玲様に見られたら注意されてしまいますよ」「それだったら、なんで冷蔵庫の中に俺が好きな飲み物が何本も入ってるんだよ。俺が飲むから入れてあるんだろう。一本しか飲まないんだからいいじゃないか」執事はただ笑うだけで、碧に言い返すことはなかった。「三浦さん、俺のことは構わずに結城社長をもてなしてくれていればいいよ。もう少ししたら、俺と兄さんはパーティーに行くから、早めにご飯を食べるよ。社長もいることだし、キッチンには多めに料理を作るように伝えておいてね」「かしこまりました」そう言うと、執事は去っていった。そしてキッチンに手伝いに行った。碧はドリンクを飲みながら、奏汰のほうへ歩いていって傍に座った。それから奏汰をじろじろと見つめて話した。「結城社長は本当にハイスペックですよね。何をするのも能力が高くて優秀だし、あなたを前にすると自分がなさけなく感じちゃいます」奏汰はちらりと彼を見て、笑って言った。「碧君、そんなに褒めなくてもいいよ。俺は君には本気で興味がないから」「どうしてですか、なんで俺には全く興味がないんですか?兄ほどカッコよくないから?それとも、社長はクール系男子が好きだから?俺だって実際はクールに振舞えるんですよ。笑わないで真顔でいたら、兄とまったく同じですから」碧は突然奏汰の耳元に近寄り、小声で奏汰に尋ねた。「結城社長、俺たち、前より仲良くなったでしょう。社長が兄のパートナーになりたいなら、ちょっと個人的な嗜好を聞きたいんです。社長が兄を落としたら、あなたは攻めになりたいですか?それとも受け?兄
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第1944話

「兄さんが好きなことですか?確かに俺はよく知っていますよ。だけど、どうして社長にそれを教えなくちゃならないんです?教えれば、つまり自分の兄を裏切ることになるでしょ、だから兄のプライバシーに関わるようなことは絶対に教えませんよ」奏汰は大きく笑った。彼は碧から玲の好みが聞き出せるとは元から思っていない。玲の両親から聞いたほうが早いだろう。碧は他の意図はなく、ケラケラと素直に笑う奏汰の笑顔を見て、実際奏汰は玲のことを大事にしていて守ろうとしていると感じていた。「白山社長は帰ってからすぐに二階へ?」奏汰はあの現金でできた花束を横に置いて、お茶の入ったコップを持ち上げて一口飲むと、二階に目を向けた。「兄はもう少ししたらパーティーに参加するんです。彼は出かける前にはシャワーを浴びて服を着替える習慣があるんですよ。それから何か食べてから酒のボトルを二本持って行くんです」奏汰は言った。「酒のボトルを二本持参するってどういうこと?柏浜ではパーティーに出席する人たちは自分で持って行くのかい?」玲が出かける前にシャワーを浴びるのは、奏汰も普通のことだと思った。もしパーティーで酔ってしまい風呂にも入らず寝てしまったら、汚くて嫌になる。玲がこだわりの強い人間であることはわかる。生活する中で他にも潔癖なところがあるのかもしれない。潔癖が行き過ぎていなければ別に構わない。若干潔癖なところがあった理仁は結婚した後、それはなくなってしまったようだ。別に唯花が暮らす中でこだわりがないわけではなく、理仁が彼女と一緒になってからそこまでこだわらなくなったのだ。これが愛の力というやつなのだろう。碧は言った。「結城社長、兄を口説くなら、まずは彼がどんな人間か理解したほうがいいですよ。ただイケメンだからって衝動的に動いたら、後悔するかもしれないですからね。柏浜の社交界では、みんな兄がパーティーに出席する時には家で食事を済ませてから来るというのを知ってるんです。パーティー会場で兄は酒を飲みますが、それは彼が持参した酒だけなんです。別に会場で用意された酒が美味しくないわけじゃなくて、結城社長みたいな兄を慕う人間を警戒してのことですね」奏汰は黙ってしまった。彼は玲にはこのような習慣があると初めて知った。ここまで注意深いのだから、二十年以上も周りを
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