「そうね、元気に生まれてきてくれれば十分だから、性別にはこだわらなくていいよね。結城家はもともと女の子が生まれにくい家系だし、唯花たちの子供が娘じゃなくても、あなたのせいじゃないし。そもそも性別が決まるのは男のほうによるじゃない?」「唯花ちゃん」聞き慣れた声がした。結城おばあさんだ。姫華と唯花が同時にオフィスの外に目をやると、おばあさんが清水と一緒に来ていた。清水は手に四つほど弁当箱を提げていた。「おばあちゃん、どうしてここに?」「おばあ様」二人は立ち上がった。唯花は清水が弁当箱を持っているのを見て、おばあさんが自分にご飯を持ってきてくれたのだとわかった。結城おばあさんは笑って言った。「ちょうどお昼でしょ、外で食べるには太陽が照ってるし、暑いし、あなたを連れて外食するのはちょっとね。それで清水さんと一緒にご飯を届けに来たのよ。会社で食べてそのまま休憩できるでしょ」そう言い終わると、おばあさんは笑顔で姫華に話しかけた。「姫華ちゃん、お久しぶりね」姫華はその呼び方は納得いかないといった様子だ。「おばあ様、私はもう大人だし、唯花よりも年上なんですよ。そんな『ちゃん』付けして呼ばないでくださいよ。子供じゃないんですから」おばあさんは笑って言った。「私からしてみれば、あなた達はみんなまだまだ子供よ。家族や親戚の前ではこうやって呼んだっていいじゃない?外ではね、他の人がいるからあれだけど。それなら『さん』で呼ばせてもらいましょうか」姫華が鞄を腕に提げているのを見て、おばあさんはまた言った。「姫華さん、多めにお弁当を持ってきたから、あなた達二人が食べる分は足りるわよ。外食する必要はないから」姫華は笑って言った。「おばあ様、唯花と一緒に清水さんの料理を堪能したいのはやまやまですが、昼には顧客との約束があるんです。あちらはタバコを吸うから、唯花も妊娠しているし、彼女を連れて行きたくないんですよ。それで、ちょうど唯花に来るなって説得していたところなんです。おばあ様がちょうどいいところに来てくれましたから、ここで唯花とお食事してくださいね。私は仕事に行ってきます」唯花「……」旦那の家族たちは唯花の行動に制限をかけないというのに、従姉がこれでもかと管理しようとしてくる。唯花が水を飲もうとしても、姫華は彼女を少しでも
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