唯月は寝ている隼翔と陽のほうへ近寄り、まるで父と子のような二人を見つめた。彼女はすぐに二人を起こすことはせず、周りを見渡した。スタッフたちが帰宅する前にすでに店の全てをきっちりと片付けてくれていた。今日は開店一日目。彼女が招待した親族や友人たち以外にも、多くの客が来て食事していった。この日に店で食事をした客には割引をし、ちょっとしたプレゼントも渡した。そしてさっき彼女は今日の売上を確認すると、利益はまんぷく亭の比ではなかった。しかし、今日は開店したばかりで、多くの人はほぼ有名人的なあの賓客たち目当てで来ただけだろう。だから、これからが本当の勝負だ。唯月はビストロピエナが一店舗目のまんぷく亭を大きく超えると自信を持っている。一つの目標をクリアしたら、次はさらなる目標に進むまで。唯月はそっと椅子を引いてそこに座り、静かに最後まで自分に付き合ってくれた隼翔と陽を見ていた。妹も含めてこの時みんな帰ってしまっていた。唯花は今妊娠中のため、唯月も妹に夜遅くまで付き合わせたくなく、昼食が終わると、理仁に頼んで妹を連れて帰ってもらった。他の親戚や友人たちは、午後になってそれぞれ次々と帰っていった。そして夜遅くまで彼女に付き合ってくれたのは、運命を共にする息子と、彼女に好意を寄せて一年近くになる隼翔だ。隼翔は入院期間にかなり痩せてしまっていたが、退院して気持ちを整理してからは、心理状態も良くなり、体にはどんどん元と同じくらい肉がついてきていた。彼はよく、毎日努力してリハビリを続けなかったら、どんどん太ってしまうだろうと言っていた。それに唯月には、自分が太っちょになっても好きになってくれるだろうかと尋ねた。唯月はただ笑って、それに返事した。「東社長が太ったとしても、多くの人があなたのことを好きですよ」彼女は「私は」とは言わなかった。すると隼翔は口を尖らせて言った。「その俺のことを好きだという奴らは別に俺自身を好きなんじゃない。俺の地位や身分目当てなんだ。ああいう女たちは俺からどれだけ利益が得られるかしか考えてないのさ」唯月は彼に尋ねた。「じゃ、私もその地位や身分目当てに近づくような、お金至上主義の女なんじゃないかって心配じゃないんですか?」隼翔はにこにこ笑って言った。「そんな心配なんてないさ。誰かが君のことを勝
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