「金を出せ!それから、お前の身につけてるものから、車にあるものまで全部金になるもんをさっさと出せ、早くしろ!」小夏はその車から降りてきた人物が一体どんな人なのかはよく見えなかったが、彼女はかなり耳が良いので、不良たちが言っている言葉だけなんとなく聞こえてきた。すると彼女はすぐにそっちに向かって駆けて行った。車の男が震えながら財布を取り出し、不良の一人に渡そうとした時、小夏は疾風の如く駆けつけて、その財布めがけて蹴りを入れ、それが勢いよく男の手から飛んでいった。小夏はとても素早い身のこなしだった。すぐさま体勢を変え、落ちてくる財布をサッとキャッチした。そして、彼女が手を振ると、財布は開いていた車のドアから中に入った。それがフロントガラスにぶつかり、ポタリと助手席の上に落ちた。その一瞬の出来事にその場の全員が呆気に取られていた。小夏の動作は目にも留まらぬ早わざだった。動作一つ無駄な動きがない。全員が我に返った時、すでに小夏がバイク二台をひっくり返し、乗っていた不良はまだ起き上がれていなかった。彼女は地面に転がった金属棒を拾い、思いっきり振り回すと、数人が地面に寝転がりうめき声をあげた。まだ攻撃を受けていない残りの四、五台のバイクに乗っていた不良たちはみんな飛び降り、各々金属棒を手に持ち小夏を取り囲むと、ぼやき始めた。「余計な事に首を突っ込んできやがって、一体どこの小娘だ?」武道一家出身の小夏は、小さい頃から訓練を受けてきた。彼女のその武術の腕前は唯花の何倍もあるだろう。唯花は以前、十数人の不良たちに囲まれた時、いとも簡単に返り討ちにしてやった。それなら、小夏にとって朝飯前だ。彼女は一言も話さず、金属棒を振り回していた。どの一撃も重く、ターゲットを的確に打ちのめしていく。すると、一人一人の悲惨な叫び声だけがその場に響いた。小夏が手を止めた時には、彼女を取り囲んでいたあの数人の男たちはすでに地面に倒れ、苦痛に転げ回っていた。まだバイクに跨っていた数人はその光景に、急いで逃げ出してしまった。また、小夏が金属棒を放り投げると、それが一台のバイクのタイヤに命中し、そのバイクは倒れ、乗っていた不良も散々な有り様になっていた。そのバイクが後ろのバイクを道連れにし、二台ともたて続けに倒れた。そして最終的に、無事その場を
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