唯花は姫華を説得することもできないし、姫華の言葉にとても感動していた。まだ彼女たちが従姉妹同士だということが判明する前から、姫華は唯花にとても良くしてくれていた。姫華は心を開いて付き合うに値する人だ。彼女は相手を本当の友人だと認めると、誠心誠意尽くしてくれる。ただ、姫華の目にかない、彼女が心から親友になりたいと思える人間はそうそういない。姫華の昔からいる親友と、唯花、それに明凛くらいだ。「それならしっかりと桐生さんと相談してよ。彼の意見だってちゃんと聞いておかないと。彼がもし消極的なら、私のために喧嘩なんてしないでよね、姫華、わかった?」唯花は姫華の手をとり、言った。「私はあなたには幸せに楽しく生きてもらいたいのよ。ただ私のせいで彼との結婚に何か影響するのは嫌だわ」姫華は唯花の手をぎゅっと握り、笑って言った。「唯花、心配しないで。それはわかってるから。善君は私の決定を理解してくれると思うの。それに、彼とはまず婚約して、結婚式は焦らずやろうって、そもそも話していたんだし」善は焦ってはいたが、それを口に出していなかった。彼は姫華の意見を尊重したいのだ。星城で善だけが姫華のことを必死に追いかけていた。他の男は、ふつう姫華に恋心を抱いたりしない。それは、姫華がわがままな性格をしているから、結婚すると厄介だと思っているからだ。それに、彼らの身分が神崎家とは釣り合わないことも原因だ。星城の上流社会で、姫華が神崎家ではかなり溺愛されて育っていることを知らない人はいない。それに、母親である詩乃はかなり手強い相手だ。人によっては、詩乃と親戚関係になれば、うまく関係を持てず、両家の関係が悪化してしまうのでは、と考える人もいる。それに、昔、姫華は結城理仁のことが好きだった。それは星城人は誰もが知っている。彼らは誰も理仁には勝てない。そもそも姫華のお目にかなうわけはないと思っているのだ。もし、詩乃が邪魔をしていなければ、善も姫華が誰かに横取りされる心配をする必要はなかった。善は姫華が結婚したい時に、自ら合わせることができる。母親から反対され、また九条弦が出現したことで、善は焦り始めた。彼は姫華と正式に結婚しなければ、安心することができない。「唯花、私がいつ結婚するかは今はおいておきましょ。今日私が来たのは、善君との
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