唯月が自分を信頼してくれていることで、隼翔はかなり気分が良くなった。「社長はご飯を食べに来たんですよね。あなた好みにメニューを選んで、キッチンのほうには伝えてありますから、もう少ししたら召し上がってくださいね。私は家に戻って食べますから」彼女は午前中だけ仕事を処理しに来ていた。今日は家に帰って、やらなければならないことが山積みだ。唯花がやってもいいのだが、唯月が妹を休ませるために、自分がやると言い張ったのだ。今唯花はつわりがひどい。吐かなくなれば、唯月も安心できるが、今は妹に何かをさせるわけにいかない。隼翔は唯月が妹の結婚式で忙しいことを理解していて、こう言った。「俺が君を送っていって、お宅で一緒に食事してもいいかな?暫く清水さんの手料理も味わってなかったし、食べたくなった」唯月はそれを断わらなかった。「じゃあ、ちょっとここで待っていてください。戻って鞄を取ってきます」「わかった」そう言うと、唯月はレストランの中に戻った。彼女がいなくなってから、隼翔は後ろにいるボディーガードに指示を出した。「さっき言っていた谷口とかいう男を調べさせてくれ」ライバルと闘うのなら、まずは相手を知ること。それでこそ完全勝利をおさめることができる。「わかりました」ボディーガードはその場で携帯を取り出し、電話をかけて隼翔の恋敵の調査を指示した。彼らの主人である隼翔はようやく唯月との距離をここまで縮めることができた。今はまだ付き合っている段階ではないが、唯月はもう彼を拒むことはなくなっている。しかし、この重要なタイミングに、誰かに二人の邪魔をする隙を与えてはならない。ボディーガードは主人には勝算があると思っているが、今はまだ隼翔が歩けず、車椅子生活を送る必要があるから、その点少し劣勢になってしまう。ボディーガードが電話を終えると、ある一台の車がレストランの前に停車した。隼翔とボディーガードはその車に視線を向けた。車から降りてきたのは、唯月が最も会いたくない元夫だ。俊介は体がだいぶ回復している。確かにまだ完全に治っているわけではないが、医者に健康状態を診てもらい、退院許可がおりて、今は家でゆっくり療養しているのだ。彼は長い時間入院していたので、彼の両親の貯金をかなり使っていた。引き続き入院していては、両親の貯金は本当
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