Semua Bab 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Bab 2381 - Bab 2390

2444 Bab

第2381話

少し声を詰まらせて、和子は引き続き話した。「あなたはこっちに残って、会社のことを頼むわ。一族の事もうまく処理しておいて。私が帰ってきた時には、満足のいく結果を期待しているからね」和子は星城に行って、調査し、二人の姪の行方を確かめるつもりだ。一族の人間が、星城の神崎夫人が彼女の姪であると噂していることを和子も知っていた。彼女はただ知らないふりをしていただけだ。そして今回、星城へ理仁たちの結婚式に参加すれば、調査するのにはちょうど良い機会だ。凪は母親を見つめ、探るように尋ねた。「お母さん一人で?お父さんと一緒に行かないの?私も一緒に行きたいんだけどな。星城って賑やかな大都市でしょ。出会いのチャンスだってあるはずだし、あっちのほうにうちのビジネスを展開するのもいいかもって思ってるんだけど」凪は星城に行ったことはある。しかし、それはお忍びで行っただけで、母親には星城で消費した時のレシートも見つかってしまった。しかし、幸いにも彼女が神崎家に行ったことはばれていない。唯月の新店舗オープンには、彼女は天野秀一に開店祝いを持って代わりに行ってもらったから、それも気づかれていない。そうでなければ、母親の鋭さから見て、絶対に凪が詩乃に会うために星城に行ったのだと気づかれているはずだ。詩乃と凪のDNA血縁鑑定に関して、詩乃は結果を凪にも教えていないのだから、それが母親に知られるはずもない。凪は母親が芝居をしていることはわかっている。詩乃が凪の従姉であるという事実を母親はきっと疑っているはずだ。今回母親が星城に行けば、短くて十日から半月は帰ってこないだろう。和子は淡々とした口調で言った。「物事は一歩ずつ進めていく必要があるの。凪、あなたは今本社の事だって完全に掌握できていないというのに、他の都市にビジネスを展開するなんて、考えるべきではないわよ。星城は各業界がもうすでに飽和状態。それに結城グループと神崎グループが幅を利かせているし、A市のアバンダントグループだって星城に拠点を置いているわ。桐生家の次期当主の弟さんが星城を任されてるでしょ。私たちが今から参入しようとしたところで、何もできやしないわ。だから、黛家の基盤であるこの柏浜でしっかりと経営していかないと。昔は黛家も柏浜でトップから数えるほうが早かった。でも、今では後ろ
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第2382話

「凪、お母さんはね、あなたには将来黛家をまた発展させて、昔のあの輝かしい栄光を取り戻してもらいたいの。そうすれば、あなたも外では周りから尊敬の眼差しで見られるわ。今、みんなは一応外では礼儀正しい態度をとってくるけど、裏では一体私たちのどんな悪口を言っているかわかったもんじゃないからね」凪は少し黙ってから口を開いた。「お母さんは一生をかけて黛家を全盛期まで戻そうとしてきたんでしょう?それなのに、私にできるかなんて保証はできないわ。黛グループも改善しなければならないところが山ほどある。だけど、管理職はみんな私のお兄さんや一族の若い人たちばかりだわ」凪はまだ会社での基盤をしっかりと固められていないため、今のところ彼らを処分することができない。「あの人たちが管理職に居続ける限り、黛グループが昔の輝きを取り戻すことは難しいわ。あの人たちはただ自分の私腹を肥やすことだけしか考えていない。会社のために、なんて考えは一切持っていないのよ」これも母親がそのように育て上げた結果だ。母親は確かに、祖先から続く当主となる人物は娘に譲るという規定には従順だ。しかし、息子たちにも、同じように特権を与えてしまった。それにより、凪が会社で動くのが困難になっているのだ。幸い、凪は黛家に戻る前、長年ビジネス界の荒波に揉まれた経験を持つ。もし、その経験がなければ、この時すでにあの兄たちからはめられて会社での地位など失っていたことだろう。和子は少し黙ってから言った。「彼らは自分たちがもっと上の地位に就くことができないとわかっているから、自然と自分の利益だけを考えるようになったのよ。凪、彼らのことはあなたで処分を決めていい。お母さんが退職して、あなたが社長になってから、その地位を利用して彼らを処分すればいいわ。あなたが実の兄にすら手を下す、情に流されるような人間ではないと周りを驚かせれば、そう簡単に裏で企む人間は出てこないはず。でも、人の上に立つ人間は、部下に対しては威厳を見せて上から押さえつけるだけじゃなく、施しも必要だからね。ずっと圧力をかけるだけでは、良い人材が逃げていってしまうから」凪はそれには賛同して頷いた。「だから、あなたは結婚式には参加しないでここでうちの会社を見張っていてちょうだい。お母さんだけ星城に行って結城社長の結婚式に参加してくる
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第2383話

琴ヶ丘はあの結城家の大邸宅があるのだから、誰でも好き勝手に出入りすることなどできない場所だ。和子は実の娘を見つめて考えていた。この娘がもし小さい頃から自分の傍で育っていれば、今よりもさらに出来が良く、能力が高かっただろう。もしかすると、あの結城家のおばあさんに見染められて、理仁たち若者世代の中の誰かの嫁候補になっていたかもしれない。「あなたたちはまだまだ若いから、チャンスならいくらでもあるわよ。お母さんはもう年を取ったから、今回が人生で一回きりの星城旅行になるでしょうね」凪は笑った。「そうかもしれないね。お母さんもせっかくだから気晴らしして来て。それならお父さんと一緒に行ったらどう?彼はこれといって能力はないけど、お母さんを楽しませるくらいはできるでしょ」和子は軽く凪に注意した。「父親のことをそんなふうに言う娘がどこにいるっていうの。あなたのお父さんは普通の人だけど、おかげであなたたちがいるんでしょう」凪は口を尖らせて言った。「だって本当のことじゃないの。お母さんも私たちにもっと能力の高い人を見つけてくれればよかったのに」「能力の高い男の人は、我々黛家の婿養子にはなれないのよ。この間、お父さんがあの男性を紹介しようと連れてきたでしょ。あなたが気に入らないのなら仕方ないけどね。また改めて、私がある男性を紹介するから、ちょっと会って交流してみなさい。彼はとても真面目でおとなしく、結構ハンサムだから。お父さんが若い頃みたいに格好いいのよ。顔が良い旦那なら、生まれてくる子供ももちろん顔が良いでしょう。ほら、あなたもお兄さんたちもみんな容姿が整っているじゃない」和子が満足しているのは、娘と息子たちがみんな容姿端麗なところだった。しかし、凪はそれを断わった。「お母さん、私は今とっても忙しいのよ。どこに恋愛する時間なんてあると思う?今の状況が落ち着いてから結婚について考えることにする。今だってまだ三十にもなってないんだから、三十過ぎてから結婚したって遅くないわ」「三十過ぎて結婚は駄目よ。それから妊娠、出産するのは本当に大変なんだから。もしあなたが私と同じように、連続で三人も息子が生まれてからやっと娘ができたとしたら、もう四十近くになって、高齢出産は本当に命懸けよ。第一子に女の子が生まれたら、後継ぎができるから、その後は一
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第2384話

凪しか娘がいない和子は、他に選択肢がない。凪が去ってからすぐに若葉が入ってきた。昔のことを思い出していた和子は養女が入ってきたのを見ると、眉をひそめ、すぐに呆れたような表情になって若葉に注意した。「オフィスに入る時には、必ずノックをしなさいと何度言ったらわかるの?まったく人の話を全然聞いていないんだから」和子は自ら心血を注いで長年教育してきた娘が、基本的な礼儀すらできないことに文句をもらした。あまりに甘やかしすぎた。それでも、若葉は自分の本当の娘ではないから、まあマシだ。もし血が繋がった娘なのに、二十年以上も苦労して育て上げた跡取りが、こうやって礼儀の欠片も持ち合わせていないとわかれば、彼女は発狂してしまうところだ。「あ、お母さん、ごめんなさい。忘れていたの」若葉はすぐに背を向けてまた外に出ると、ドアを閉めて、ノックしてから母親の返事を待って、また中に入ってきた。そしてすぐに、彼女は母親の向かい側に勝手に座った。「ねえ、お母さん、ちょっと聞きたいことがあって来たの。もしかして、うちも結城家から結婚式の招待状を受け取ってない?」玲のパートナーとして理仁たちの結婚式に参加することができないとわかり、若葉は母親と一緒に行こうと考えたのだ。しかし、それには黛家が結城家から招待状を受け取っている必要がある。「受け取ってはいるけど、どうかしたの?」「お母さん、私も一緒に連れていって」若葉は甘えた声で言った。「今ね、会社のほうは私もしなくてよくなったし、黛家の事だって私は関係なくなってるから、毎日何もすることがなくて、すっごく暇なの。ちょうどお母さんに付き添えるかなって思って」和子は若葉を見て、不機嫌そうに言った。「あなた、白山社長から拒否されたの?」「そうよ、白山社長ってすっごくお堅い人だから、私には全然目を向けてくれなくって。お母さん、あなたが私を連れていってよ。もう長いことこういう素敵なパーティーに参加してないもの」ただ聞いただけでも、今回の結婚式はかなり盛大なものになると若葉は知っていた。星城で行われる結婚式の中で、最も盛大なものだと言える。その招待客は各界の名士ばかりで、星城以外の名家や大物も出席するという。それなら、ちょうど良い出会いに期待ができる。和子は淡々とした口調で言
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第2385話

「似合ってるわよ。私の娘は昔からとっても綺麗だったからね」「お母さん、新しいネックレスをもらったんだもん、これに合う服が欲しいわ」和子は笑って言った。「あなたのクローゼットには新しい服がたくさんあるでしょう。買ってきてもまだ一度も着ていない服だってあるのに」このような話をしながらも、和子は銀行カードを養女に渡して言った。「欲しいものがあるなら、これで何でも買いなさい。そんなふうに不機嫌そうな顔してないで、ね」若葉はカードをもらうと、とても喜んだ。「ありがとう、お母さん。やっぱりお母さんは私のこと、一番に考えてくれるよね」和子は笑った。「あなたは小さい頃から私が育ててきたんだもの。たとえ、血縁関係がなくたって、ずっと本当の娘のように思ってるよ。凪よりもあなたには良くしてあげているでしょ」「だけど、私を会社に戻してくれないじゃない。凪から私が追い出されても放置しているし」和子は笑顔を消し、険しい表情に変えた。「若葉、お母さんもあなたに本当の家族の名字に変えさせずに、黛を名乗らせているでしょう。それだけでも十分よ。他のことは余計に考えるんじゃないの。忘れないことね、あなたの父親が企みさえしていなければ、本当の娘が田舎で育つようなことにはならなかったんだから。あなたは凪の全てを奪ってしまったのと同じことよ。今では真実がわかって、それぞれ本当の正体がわかったでしょ。お母さんも当時あの小さな赤ちゃんには何も罪がなかったんだから、あなたにその責任を押し付けたりしないだけ。それに、二十年以上も母と娘としてやってきたから、あなたをまだここに置いてあげているんだよ。世間から私がどのように言われているのか、あなたも知らないわけないわよね?お母さんがやってあげていること、あなたは理解できないというの?」それを聞くと、若葉は急いで謝った。「お母さん、ごめんなさい。さっきは言葉が過ぎたわ。もちろん、十分良くしてくれてることくらいわかってるの。凪と争う気なんてないわ。お母さん、安心して、本気で凪とは後継者の争いをするつもりはないからね。じゃ、お仕事続けて。私はこれで失礼するから。綾さんに電話してこのネックレスに合う新しい服を探しに一緒にショッピングに行ってくるわ」和子は頷いた。すると若葉はすぐにオフィスを出ていった。
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第2386話

若葉は車を降りて、まっすぐに実の母親の前までやって来ると、彼女の体を押して罵った。「頭でもおかしいの?死にたいならどっか他のところで死んでよ。私の車を汚さないで。さっき急ブレーキ踏んでなかったら、今頃この車の下敷きになっていたわよ。周りから私がなんて言われるかわかってんの?貧乏が嫌で金持ちのままいたいから、実の母親のところには戻らずに、養女として育ての親のところにいつまでも居座ってるってね」若葉の実の母親は呆然と娘を見つめた。母親が子供のことを恋しく思わないはずがないだろう?若葉の母親の西村恵美(にしむら えみ)は黛家の跡取りが自分の娘だと知っていた。夫のその企みが成功するかというところで、真相が明らかになってしまった。恵美はがっかりしたが、本当の娘が自分のところに帰ってくるだろうと期待した。若葉は黛家で最高の教育を受け、能力があるから、帰ってきてくれれば、その力で西村家を裕福にしてくれるだろうと考えたのだ。しかし、残念なことに、実の娘は本当の家に帰りたくないという。そして、養女の凪は黛家に戻っていった。つまり、恵美は実の娘も育てた娘も両方とも失ったのだ。この日、恵美は毎月一度の夫への面会で訪れていた。そしてどうしても我慢できずに、実の娘に会いに来たのだった。恵美は娘の車のナンバーを覚えていて、さっき通りかかった時にちょうど娘の車が出てきたから、思わず飛び出してしまった。「若葉……」「そんな親しげな呼び方をしないで。私はあんたの娘なんかじゃない。私はね、黛若葉、黛家の令嬢であって、あんたたちの娘なんかじゃないんだってば。あんたの娘はあの凪とかいう女よ!」若葉は実の母親に対してひどい言葉を吐き捨てた。彼女は恵美を実の母親として認める気はなかった。そんなことをしたら、育ての親の和子が不機嫌になるのではないかと思っているからだ。たとえ、和子が気にしなくとも、若葉自身が認めたがらない。このような母親がいると、自分のレベルさえも何段階も下がってしまった気がする。それに、玉の輿に乗ることもできなくなるだろう。ああいう名家のご夫人たちは、自分の息子の嫁に対する要求がとても高い。西村家が足を引っ張るのなら、このような家族など必要なかった。「若葉さん、あなたは私の娘。あなたこそ、私がお腹を痛め
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第2387話

若葉は冷たく言い放った。「このお金で少しは見栄えのいい服でも買いなさいよ。そんな農村から出てきたダッサイおばさんみたいな姿でいないでよね。あ、違うか、そもそも農村のおばさんだもんね。そのお金を持ってさっさと消えてよ。二度と私の前に現れないで」母親に警告し終わると、若葉は背を向けて自分の車へ向かった。車に乗り込み、すぐにその場を去っていった。その場に残された恵美は悲しみに泣き崩れていた。実の娘であるというのに、こんなにひどい扱いをされてしまうとは……確かに自分はあの黛家当主とは似ても似つかない存在だと恵美もわかっている。これもすべてあの当主のせいだ。黛家当主が残酷にも、娘を奪っていったのだ!恵美は泣きながらも、若葉が投げ捨てたあのお金を全て拾い、その場に座っていくらあるのか数えていた。数え終わると、彼女はだんだんと泣き止んだ。若葉は常に財布には何十万かの現金を入れている。その中から適当に掴んでばらまき、恵美は二十万近くの現金を得た。田舎の貧しいおばさんが、一気に二十万近く得るのは、彼女にとっては大金と同じだった。そして彼女は自分が育てた凪のことを思い出した。今ではすでに黛家の次期当主となっている。凪が黛家に戻ってきてから、恵美の娘の若葉が相続するはずだった全てを奪われてしまった。恵美はこの瞬間、凪への恨みをつのらせた。彼女は立ち上がると、黛グループ本社を遠くに眺めた。そして凪に金を要求しようと決めた。恵美たちが凪にどのような態度をとっていたとしても、恵美は一応凪を小さい頃から育ててきたのだ。その恩があるのだから、金を要求して少しは贅沢な暮らしをする権利があるはずだ。実際、あの二人の正体がまだ明らかになっていなかった頃、恵美たちは貧しい暮らしをしていたわけではなかった。若葉の実の父親は黛家で執事をしていたので、給料は高く、よく黛家からもボーナスをもらっていたのだ。しかし、凪と若葉が出生後すぐに入れ替えられた事実が発覚すると、黛家からの復讐に遭い、恵美たちはまさに天国から地獄、貧乏人に落とされてしまった。そして今、若葉の実の兄たちが必死に働いている。それでも一カ月に何十万か稼げる程度で、彼らも結婚して自分の家庭を持っているから、残りの金を母親にあげる余裕などないのだ。それにより、恵美はどんどん
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第2388話

小夏はまさか自分が弦の運命の相手だとは全く知らない。弦は小夏だけに興味を示すことができ、これで家族が望むように結婚する未来も見えてきた。「花京院さん」弦は笑顔で彼女に声をかけた。「さっき到着したばかりなんです」小夏は彼が両手にいろいろと提げているのを見て、言った。「わざわざ来てくれたのに、そんなに買ってこなくても……」「今回初めて館長にお会いするので、手ぶらで来るわけにはいかないでしょう」小夏は笑って言った。「父の門下生になる自信があるのですね?さあ、行きましょう。うちはそう遠くないんです。うちで一緒に食事をしましょう。父にもその時会って、弟子をとるかどうか聞いてみるんです」「ええ」小夏は弦を連れて自分の家のほうへ歩いて行きながら話した。「そういえば、結城社長の結婚式でグルームズマンを担当するって言っていませんでしたか?どうしてまたここに?」小夏が星城から戻ってきて、まだ二日と経っていない。話しながら、小夏は弦の荷物を持つのを手伝った。そして弦が買って来た手土産を見て、弦に言った。「こんなにたくさん、しかも高価そうなものを買ってきて、お金を使わせちゃって……」タバコも酒も高級なものばかりで、他にも高そうな菓子折りなど盛りだくさんだった。多いうえに、どれも高価なものばかりだ。そして小夏は弦が大企業の会社の社長だったことを思い出して言った。「大企業の社長さんって、普段からこんなにお金を使っているんですか?」「それは、使うためにお金を稼いでいるんですからね。館長にお会いするというのなら、気持ちをお見せしないといけませんから。お師匠様にはもちろん高い物を買ってくるのが当然です。花京院さんが結城社長の結婚式にとても参加したそうにしていたでしょう。ちょっといろいろと考えてみたんですが、今回は、館長にお会いすることと、それから花京院さんに結婚式に参加する際の私のパートナーになってもらえないかお願いするために来たんです。明日出発すれば、結婚式には間に合いますから」実はこれ、弦がここに来る途中で思いついた口実だった。小夏が星城からいなくなって、彼は彼女に会いたくてたまらなくなった。少し離れただけで、長い歳月会っていないかのような寂しさを覚え、人生で初めて恋というものを経験した弦は、
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第2389話

小夏は弦を連れて自分の家に帰った。花京院家の道場は家から遠いとは言えないが、ある程度の距離はあるので、多くの知り合いに途中出会った。みんな、小夏がイケメンを連れて肩を並べて歩いているし、そのイケメンが多くの荷物を提げているので、小夏の彼氏が来たのだと勘違いしていた。「花京院さん、こちらは彼氏さん?とってもかっこいい方ですね」「小夏ちゃん、まさか彼氏ができたの?とっても素敵な方じゃないの。お父さんはいつもあなたの結婚を心配していたでしょ。私はいつもあなたのご両親には、心配しなくていいって言ってたんだよ。あなたはとても綺麗な子だから、結婚相手が見つからないはずないって。こうやって彼氏を連れて帰ってきたのを見たら、ご両親もすごくお喜びになるでしょうね。娘がいつ結婚するのか心配する必要もなくなったわ」生徒の親や花京院家の近所のおばさま方が、みんな小夏に声をかけて、弦と小夏の関係について尋ねてきた。小夏は焦って近所のこのおばさまたちに説明した。「おばさん、こちらは九条さんと言って、父に用があって来ただけよ。うちの道場で護身術などを学びたいって」するとそのおばさんは「あら」と声をもらした。「私はてっきりあなたの彼氏かと思っちゃったわよ」弦のほうをちらりと見て、おばさんは小夏を端のほうへ引っ張って行き小声で話した。「小夏ちゃん、あなたのお父さんにはたくさんの教え子さんがいるでしょ、その中でも、彼がとびっきりイケメンだわ。それに見た感じ気品があるもの、絶対このチャンスを逃したら駄目よ」おばさんの言葉の意味がわかり、小夏は呆れてしまった。そして笑って言った。「おばさん、考えすぎだってば」「そんなことわかってるわよ。あなたたち、今は友達同士なんでしょうけど、これからなっても別に問題ないじゃない。なにはともあれ、良い男に出会ったなら、すぐに捕まえておかないと駄目なのよ。他の女に奪われないようにね。おばさんには娘がいないでしょ、あなたは近所の娘さんで小さい頃から大きくなるのを見てきたのよ。おばさんはあなたの味方だから、早くチャンスを掴みなさい」小夏は笑って言った。「わかった、わかったから、そうするわ。おばさん、今は九条さんを父に紹介しないといけないから」「はいはい、いってらっしゃい」小夏は弦の傍に戻り、彼を連れ
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第2390話

もし、小夏が弦との身分など気にしないようであれば、わざわざ彼の事情を説明する必要もない。どのみち、弦は小夏にしか興味を抱けないのだ。小夏が弦と結婚した後、ただ形だけの夫婦になると心配する必要はない。小夏は笑って言った。「きっと忙しくて恋愛する時間がないんだろうなって思いました。でも、きっとご両親は焦ってらっしゃるでしょうね。できるだけ恋愛する時間を作るようにしたほうがいいかもしれませんよ。私はそこまで結婚、結婚と両親から言われませんけど、兄たちはずっと催促されてるんです。家に帰ってきたら親がうるさくて耳栓をしたいくらいだって。兄たちも要求が高すぎるんですよ。女性を紹介してもらって、会っても、相手が弱いとかなんとか言っちゃって。彼らは自分と勝負できるくらいの強い女性がいいらしいです。それに怒った父が、棒まで持ってきて殴りかかろうとしたんですよ」弦は思わずニヤリと笑った。「お兄さんたちがそういう考えを持つのも仕方ないことでしょう。彼らは小さい頃から武芸に励んでいたのだから、きっと周りのご友人もそのような方ばかりでしょうしね。だから、強い女性と結婚したいと思うのも無理はありません。ところで、花京院さんの彼氏の条件も、きっと強い方じゃないといけないんでしょうね?」小夏は少し考えてから言った。「もともと強い人がいいなっていう考えはあったんですけど、少し考えてみて、普通の人でもいいのかなって。そのほうが結婚して夫婦喧嘩になったときに私が負ける心配しなくてもいいから。でも、私は小さい頃から武術に慣れ親しんでいますし、うちの道場で先生をしているでしょう?そんな私に男性を紹介しようと思っても難しいらしいですよ。相手が私は道場で教えていて、かなり強いって聞いたら、会うことすらしたくないんですって。結婚して暴力をふるわれないか心配だとかなんとか」弦は言った。「そのような考えをする男ならその時点で切り捨てですよ。まだ会ってもないのに、結婚後の喧嘩がどうこう考えるような輩です。良い男というのは、結婚したら奥さんを大事にするのが基本です。たとえば、星城の結城社長を例にとってみると、彼も実際はかなり体術ができる人で、腕もなかなかなものです。彼の奥さんも空手ができるのですが、夫婦喧嘩になったら奥さんのほうが負けてしまうでしょう。でも、彼が
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