少し声を詰まらせて、和子は引き続き話した。「あなたはこっちに残って、会社のことを頼むわ。一族の事もうまく処理しておいて。私が帰ってきた時には、満足のいく結果を期待しているからね」和子は星城に行って、調査し、二人の姪の行方を確かめるつもりだ。一族の人間が、星城の神崎夫人が彼女の姪であると噂していることを和子も知っていた。彼女はただ知らないふりをしていただけだ。そして今回、星城へ理仁たちの結婚式に参加すれば、調査するのにはちょうど良い機会だ。凪は母親を見つめ、探るように尋ねた。「お母さん一人で?お父さんと一緒に行かないの?私も一緒に行きたいんだけどな。星城って賑やかな大都市でしょ。出会いのチャンスだってあるはずだし、あっちのほうにうちのビジネスを展開するのもいいかもって思ってるんだけど」凪は星城に行ったことはある。しかし、それはお忍びで行っただけで、母親には星城で消費した時のレシートも見つかってしまった。しかし、幸いにも彼女が神崎家に行ったことはばれていない。唯月の新店舗オープンには、彼女は天野秀一に開店祝いを持って代わりに行ってもらったから、それも気づかれていない。そうでなければ、母親の鋭さから見て、絶対に凪が詩乃に会うために星城に行ったのだと気づかれているはずだ。詩乃と凪のDNA血縁鑑定に関して、詩乃は結果を凪にも教えていないのだから、それが母親に知られるはずもない。凪は母親が芝居をしていることはわかっている。詩乃が凪の従姉であるという事実を母親はきっと疑っているはずだ。今回母親が星城に行けば、短くて十日から半月は帰ってこないだろう。和子は淡々とした口調で言った。「物事は一歩ずつ進めていく必要があるの。凪、あなたは今本社の事だって完全に掌握できていないというのに、他の都市にビジネスを展開するなんて、考えるべきではないわよ。星城は各業界がもうすでに飽和状態。それに結城グループと神崎グループが幅を利かせているし、A市のアバンダントグループだって星城に拠点を置いているわ。桐生家の次期当主の弟さんが星城を任されてるでしょ。私たちが今から参入しようとしたところで、何もできやしないわ。だから、黛家の基盤であるこの柏浜でしっかりと経営していかないと。昔は黛家も柏浜でトップから数えるほうが早かった。でも、今では後ろ
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