「着きました。ここが私の家です」小夏は弦を連れて、小さな庭のある一軒家に到着した。弦はすでに花京院家の場所は知っていた。将来妻となる彼女の家族のことなら完全に把握している。花京院家は蔵峯では財閥家には含まれないが、道場はかなり有名だ。名家には及ばないものの、一般家庭とはまた違っている。彼らはこの通りにある家を除いて、他の場所にもいくつか家を所有している。花京院家の道場がある土地もすべて自分たちの所有地だ。小夏の父親である花京院力哉(かきょういん りきや)はこの家を長男に残すつもりでいる。長男は花京院家を支え努力して、将来はこの花京院道場の跡取りとなる。そして他の家は次男と娘の小夏に与えることにしている。もし、また家が購入できるほど稼げれば、また土地を買って家を建てようと思っている。今ある家は息子と小夏にあげて、他の家は貸して、その家賃収入を老後資金にすることもできる。小夏の実家は敷地内に三つの建物があり、近所の家よりもかなり広くなっている。入り口は立派な門があり、門を通るとすぐに「和敬清寂」と書かれた掛け軸があるのが目に入る。弦は小夏と一緒に庭に入って、その掛け軸の言葉を見て言った。「花京院さんの家には、こう大きく武道の『武』の字でも書かれた掛け軸があるかと思っていました」「確かに以前、そのような掛け軸をかけていたんですが、母が破いたんです。父がまた同じものを掛けるたびに母がまた破くっていう繰り返しで……母が、道場にたくさん貼るのは構わないけど、うちでは武術とは関係のないものにしろって言ってから、父は諦めてしまいました。うちのレイアウトは全て母がやっていて、父は一切口を出してないんです。夫婦喧嘩にならないように、ですね。父はもちろん武術の腕はかなりのものですが、母から街中を追いかけ回されたこともあるんですよ。だから、みんな父は妻の尻に敷かれてるって知ってるんです」小夏は弦の話を認めた。彼女は両親の関係をずっと見てきて、父親が数十年ずっと母親のことを大事にしていると胸を張って言える。小夏の母親は夫から暴力を受けるなどという心配をする必要はなかった。父親もそのような考えをする人間ではない。まだ会ったこともないのに、夫婦が喧嘩した時にどちらが勝つか負けるかなど考えるような輩なら、小夏もそのような男は考慮する必
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