静かに夜が過ぎていった。そして翌日、日曜日。幼稚園が休みの陽は、朝早くに目を覚ました。起きてから、彼は唯花の部屋のドアをノックした。理仁がドアを開けた。「理仁おじちゃん、おばちゃんは起きてる?おばちゃんと遊びたいんだ」理仁は陽を怒ってはいけないと自分に言い聞かせるように、深呼吸をして心を落ち着かせた。そして穏やかな声で言った。「陽君、今何時かな?こんな早い時間に起きたのかい?もう少し長く寝ていていいんだよ。普段、幼稚園に行く時は、お日様が起きろって言っても起きようとしないくせに、幼稚園が休みだと、こんなに早起きをして」陽は口を尖らせて言った。「おじちゃん、ぼく、目が覚めたら寝られないよ。一緒に遊ぶおともだちもいないから、おばちゃんに遊んでもらうんだ」今、陽は市内にある理仁の個人邸に来ているのであって、琴ヶ丘にはいない。琴ヶ丘にいれば、他の子供たちと遊ぶことができるから、唯花を探しにくることはなかったのだ。理仁は仕方なく、彼を抱き上げて言った。「おばちゃんはまだ寝ているから、おじちゃんが付き合おうか。何して遊びたい?」「お外に遊びに行きたい」「家で、おもちゃで遊ぶのじゃダメかな?」陽は首を横に振った。「一人で遊ぶのはたのしくない。おじちゃんはおもちゃで遊べないし」理仁は笑った。「わかった。じゃ、おじちゃんと一緒に朝のジョギングに行くのはどう?着替えるから待ってて」理仁は陽を抱いたまま部屋に戻り、彼を下におろして小声で注意した。「おばちゃんがまだ寝ているから寝室で大きな声を出したらダメだよ。おじちゃんは着替えてくるからね」陽は頷いた。理仁はスポーツウェアを手に取り、ズボンをはきかえてから、陽が言うことを聞かずに、唯花が寝ている邪魔をするのではないかと心配し、上着を持って歩きながら着替えた。陽がさっきの場所から動かずに、おとなしく待っているのを見て、彼はようやく安心した。「さあ、行こう。おじちゃんが外に連れていってあげるよ」陽は嬉しそうに理仁について出ていった。「ねえ、おじちゃん、おかあさんっていつ帰ってくるの?」「それはおじちゃんにもわからないな。陽君はおかあさんのことが恋しくなった?」陽は頷いた。「夜寝るときに、おかあさんに会いたくなるんだ」
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