All Chapters of 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Chapter 2681 - Chapter 2684

2684 Chapters

第2681話

静かに夜が過ぎていった。そして翌日、日曜日。幼稚園が休みの陽は、朝早くに目を覚ました。起きてから、彼は唯花の部屋のドアをノックした。理仁がドアを開けた。「理仁おじちゃん、おばちゃんは起きてる?おばちゃんと遊びたいんだ」理仁は陽を怒ってはいけないと自分に言い聞かせるように、深呼吸をして心を落ち着かせた。そして穏やかな声で言った。「陽君、今何時かな?こんな早い時間に起きたのかい?もう少し長く寝ていていいんだよ。普段、幼稚園に行く時は、お日様が起きろって言っても起きようとしないくせに、幼稚園が休みだと、こんなに早起きをして」陽は口を尖らせて言った。「おじちゃん、ぼく、目が覚めたら寝られないよ。一緒に遊ぶおともだちもいないから、おばちゃんに遊んでもらうんだ」今、陽は市内にある理仁の個人邸に来ているのであって、琴ヶ丘にはいない。琴ヶ丘にいれば、他の子供たちと遊ぶことができるから、唯花を探しにくることはなかったのだ。理仁は仕方なく、彼を抱き上げて言った。「おばちゃんはまだ寝ているから、おじちゃんが付き合おうか。何して遊びたい?」「お外に遊びに行きたい」「家で、おもちゃで遊ぶのじゃダメかな?」陽は首を横に振った。「一人で遊ぶのはたのしくない。おじちゃんはおもちゃで遊べないし」理仁は笑った。「わかった。じゃ、おじちゃんと一緒に朝のジョギングに行くのはどう?着替えるから待ってて」理仁は陽を抱いたまま部屋に戻り、彼を下におろして小声で注意した。「おばちゃんがまだ寝ているから寝室で大きな声を出したらダメだよ。おじちゃんは着替えてくるからね」陽は頷いた。理仁はスポーツウェアを手に取り、ズボンをはきかえてから、陽が言うことを聞かずに、唯花が寝ている邪魔をするのではないかと心配し、上着を持って歩きながら着替えた。陽がさっきの場所から動かずに、おとなしく待っているのを見て、彼はようやく安心した。「さあ、行こう。おじちゃんが外に連れていってあげるよ」陽は嬉しそうに理仁について出ていった。「ねえ、おじちゃん、おかあさんっていつ帰ってくるの?」「それはおじちゃんにもわからないな。陽君はおかあさんのことが恋しくなった?」陽は頷いた。「夜寝るときに、おかあさんに会いたくなるんだ」
Read more

第2682話

「それならよかった。今お宅の門の前にいるんです。お宅の執事が開けてくれたので、後で会ってから話しましょう」そう言うと、蒼真は電話を切った。理仁はどういうことかよくわからなかった。彼が陽のほうを向くと、陽も同じく彼を見上げた。「おじちゃん、どうしたの?何かあった?」陽は尋ねた。理仁は陽の頭を撫でて言った。「誰かさんが陽君と同じように、朝早くに起きてここまで来たらしい」それに、一体何があったのかよくわからない。善と姫華の結婚に何か問題が発生して、蒼真が説得してほしいと頼みに来たのだろうか?しかし、理仁では無理だ。唯花ならそれができるだろうが。するとすぐに、蒼真が弟が普段乗っている車で門から入ってきた。そして車は庭にとまった。蒼真が車から降りてくる前に、後部座席のドアが開き、中から小さな影がぴょんと跳び下りてきた。そしてすごいスピードで理仁たちのほうへ駆けてきた。「陽君、陽君、僕だよ」その素早い人影は、なんと瀧だった。「りょう君!」陽は瀧が来たのを見てすぐに理仁の手から離れ、小走りで彼のほうへ駆けていった。二人は近寄ると、嬉しそうに抱き合っていた。夏休みに遊んでから、二人は暫くの間顔を合わせていなかった。二人とも以前よりも少し背が高くなっていた。瀧は毎日長時間武術の稽古をしているせいか、陽よりも背が伸びるのが早かった。陽よりも頭半分ほど背が高く、体つきもしっかりしている。さっき瀧が車から跳び下りてくる動作を見て、理仁はすぐに彼がかなり成長したことがわかった。きっと今では陽三人がかりでも、彼には勝てないだろう。瀧は本当に生まれつき武芸を学ぶのに適した人材らしい。「りょう君、どうしてここに?」親しい友人の姿に、陽は大喜びして尋ねた。瀧は答えた。「先生と一緒にお母さんと師匠に会いに戻ってきたの。先生が一週間休みをとってくれたんだよ。蒼真おじさんとお母さんがこっちに用事があるって、だから僕もついて来たんだ。陽君、君のところで二日くらい遊んでから帰るよ」蒼真と遥の養子である瀧は、そう言いながら、指二本を突き出して、星城で二日遊ぶと陽に伝えた。陽は言った。「ぼくもお休みなんだ。だけど、明日はようちえんに行かなきゃ」瀧は言った。「休めばいいじゃん。僕だって休みをも
Read more

第2683話

理仁はおかしくなって言った。「二人が仲の良い友達になれたのも、同じタイプの人間だからだったんですね。こちらも、陽君に朝早く起こされて、仕方なく彼を連れてジョギングに行くところだったんです。蒼真さん、それなら一緒に外に行きましょうか」理仁は蒼真と瀧二人も一緒に外へ行こうと誘った。蒼真は笑って言った。「じゃ、ちょっと出かけましょう。俺ももう寝る気はないですし」そして瀧に言った。「瀧、陽君を連れて前を行くんだ、でもあまり遠くに離れないように」「いえ、陽君が瀧君を連れてと言うべきでしょう。お二人のほうがお客さんなんですからね。俺と陽君でしっかり案内しないと」陽と瀧はすでに手を繋いで走っていった。蒼真は言った。「あの子は、すぐに人付き合いができるし、記憶力も抜群なんです。一度来た所は道も覚えてしまうんですよ。道端にある草花ですら全部記憶していますからね、俺よりも植物について詳しいですよ」理仁は言った。「彼のお師匠さんは、あの医術も毒にも詳しい依茉先生ですからね」依茉自ら瀧に教えた時間が少なくても、彼女の師匠である名医が面倒を見ていた。それに暮らしているのは薬草ばかり植えられた場所だから、多くの薬草についても詳しくなっている。瀧の記憶力がかなり良いことは、周りはみんな知っていることだ。「瀧君は性格も良いです」「それは理仁さんがあの子の良いところしか知らないからです。わがままな姿を見たことがないでしょう?あの子はとてもわがままな子なんですよ。彼を養子に迎えたばかりの頃、食べては寝て、寝ては食べ、特に会話もしないし、頭の悪い食いしん坊かと思ってましたよ。まあ、あの頃は見誤っていましたけどね」蒼真は瀧の文句を言いながらも、愛情に溢れた眼差しで、笑っていた。瀧はまだ少し養父である蒼真に懐いていないので「お父さん」ではなく、ずっと「蒼真おじさん」と呼んでいる。遥のことは実の母親でないことを知ってからは、少し遠慮気味に「お母さん」と呼んでいる。理仁は蒼真を少しからかうように言った。「そんなふうに言って、実はとても喜んでいるくせに。こんなに頭が良くて可愛い子なんですから」蒼真はにやにや笑った。「もう少し実力をつけてくれるといいんですけどね。そうすれば誰からもいじめられないでしょう。うちの双子に関し
Read more

第2684話

理仁は蒼真にそう言いながら、陽たちのいる前方へ駆けていった。蒼真は軽く走りながらついていった。「以前から結城家とは親密な付き合いをしてきたし、今後は親戚になるのでよかったです。そうじゃなかったら、こんな朝早くから訪問するのは申し訳なくて、できないところでした」周りの住宅地はまだこの時間閑静で、たまに誰かが早朝のジョギングに出ている程度だった。「瀧君が帰ってくることも少ないし、そんな中せっかく来たので、急いで友達のところに来た気持ちは理解できます。彼の成長には驚かされます。さっき車から降りてきて、駆け寄ってくるスピードも早かったです。運動神経に関しては、陽君はいくら頑張っても彼には追いつけないでしょうね」蒼真は言った。「人それぞれ長所、短所、ありますから。瀧の短所は食いしん坊なところです。毎回戻ってくると、新について回るのが好きなんですが、新をおだてていろんな美味しい物を作ってもらっています。あの小さなお腹がまん丸になっても、まだ食べようとするくらいに。遥は食べ過ぎる瀧のことを心配していますが、毎日訓練して、かなりの運動量なので、太らずに済んでいるんです」「まあ、子供というのはだいたいそんなものかもしれませんね。大人になれば大丈夫です。ばあちゃんからも、俺は小さい頃食べるのが好きだったと言われましたが、大人になってからは自分がそんなに食欲旺盛だとは思いませんから」大人になって、自分で自分をコントロールできるようになれば、好き勝手食べるようなこともなくなる。蒼真は頷いた。「それならいいんですけどね。そうじゃないと、ここまで食いしん坊だったら、美味い物で誘惑されて、誰かに騙されるかもしれませんから」彼らは住宅地の中を三十分ほどジョギングして帰ってきた。彼らが家に戻ってきた時には、唯花もすでに起きていて、庭を一人ゆっくりと散歩していた。陽の楽しそうな笑い声が聞こえると、彼女は屋敷の門のほうへ歩いていった。「あ、おばちゃん」陽と瀧は大人二人の前まで走り出て、彼らよりも先に門を抜けて敷地内に入った。唯花の姿を見ると、陽は小走りで駆けていった。その後に瀧が続いた。「おはようございます」「あら、瀧君?どうしてここにいるの?」唯花は瀧も一緒にいたことに驚いた。唯花は善の車が庭に駐車されているのを見て、
Read more
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status