All Chapters of 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Chapter 661 - Chapter 664

664 Chapters

第661話

「詩乃伯母さん……」唯月は何か言おうとしたが、詩乃は手をあげて彼女を止めた。詩乃は冷たい視線で莉奈を睨んだ。莉奈は気まずそうに口を開いた。「か、神崎さん」詩乃は娘に振り向いて言った。「姫華、うちのボディーガードに連絡して、ガレージに止めてある高級車全部ここに出してきて、唯月さんに試乗させてあげて。何千万円以上の高級車ならどんなブランドのもあるわ」「神崎さん、これは誤解、誤解ですよ」俊介は慌てて仲介に入った。「神崎さん、俺たちはもうここで服を買いません、今すぐ離れます」俊介は最近仕事がうまくいっていなくて、詩乃と正面衝突する勇気などなかった。彼は莉奈の持っている服を取り店員に渡すと、慌てて莉奈の手を引っ張って、惨めに逃げだしていった。莉奈は詩乃の前では何もできないが、店を出ると、俊介の手を振り払い、速足で先に歩きながら、俊介に怒りをぶちまけた。「あなたってただのお飾りなの?私があの姉妹にいじめられるのをただ見ていて、なんで何も言ってくれなかったわけ!息子ばかり構っていてさ、そんなに大事だったら、また訴訟でもして親権を取り戻す?お金持ちの伯母がいるからって何?神崎家にお金があっても、唯月にはないからね、あの女に一体何ができるの?それに、あの内海唯花って女も本当に憎らしい。どうしてさっきあの女にも何も言わなかったの?おせっかいな女ね、旦那はどこのどいつなの?」莉奈は悪意に満ちた考えを巡らしていた。唯花の夫の顔さえわかれば、誰かを送り込んで唯花の夫を誘惑して、彼女に夫から裏切られるのを味わわせてやるのに。姉妹二人は仲がいいだろう?じゃ、仲良く一緒に離婚すればいい!俊介は彼女に追いつき、肩を抱いてたしなめた。「怒るなよ。今からジュエリーショップに行って結婚指輪を選ぼう。好きなものを買ってあげるからさ。唯花のやつ空手を習ったことあって、かなり強いんだぞ。俺は男だが、体術やったことないから、相手にならないんだよ。それに、もう何日も陽に会ってなかったしさ、どう言っても俺の息子だから、せっかく会ったんで、ちょっと抱いただけだよ。そんなに怒らないでくれよ」以前、毎日息子に会えるから、俊介はそこまで息子に会いたいと思わなかったのだ。離婚後、陽は唯月が連れて行った。それで彼は突然息子に会いたくなったのだ
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第662話

「俺が分けてやった二千万円は、彼女は家を買うのに使うだろう。金を全部使ってしまって、仕事も見つからなければ、あの伯母がずっと面倒を見ない限り、俺たちのように幸せにはなれないだろう」それを聞いた莉奈は確実に気分がよくなった。「二千万で星城の中心地に家を買うなら、頭金も足りないでしょ。この間、友達が繁華街にある中古の家を買ったんだ。学校に近いけど、20坪ちょっとしかないのよ。それでも一億超えたの。びっくりしたわ」もし彼女が俊介を自分のものにできていなければ、彼女の収入で星城に家を買うなんて、到底無理な話だろう。俊介も今の不動産の価格が非常に高いのを知っている。幸い、彼は早めに星城で家を買ったのだ。今では、いい所で家を買うのは無理だし、学校の近くに買おうなどもっとありえないのだ。「調べたんだが、神崎夫人は結構性格がきつい女性みたいだ。一番嫌いなのは弱くて自立できない人間だぞ。唯月のような自立できない人間を支援したり、金を渡したりなんて、神崎夫人なら絶対しないだろう。だから、唯月に金持ちの伯母がいるって嫉妬する必要はないぞ。実の親でさえ、金を子供に出さないこともあるし。ましてや付き合いが浅い伯母ならなおさらだ」俊介にたしなめられて、莉奈は上機嫌で彼と一緒にジュエリーショップに行った。その時二人は気づいていなかった。誰かが彼らを尾行し、その会話を全部録音していたことを。たとえ偶然でも、クズな人間に会ったらどうしても心に影を落としてしまうものだ。その後、唯月はただみんなに付き添って回っていた。莉奈の前では平静を装っていたが、元夫とその不倫相手が一緒にいるのを見て、心の中ではやはり苦しかった。結婚してからずっと家事に専念していた自分のような嫁たちのことを考えて、不公平だと思っていた。女性は本当に自分を大事にすべきだ。彼女みたいに、夫である俊介が苦労してお金を稼いでいるのだからと思い、普段、日常生活に使う必要なもの以外に、自分に新しい服も化粧品も買わず、買っても陽と俊介のものばかりだったのだ。しかし、俊介のことを思い節約していたお金は、彼が全部莉奈のために使っていた。夫が稼いだお金を使おうとしなければ、いつか他の女がそれを使ってしまうのだ、という言葉を思い出した。そして、自分のスタイルもそうだった。唯月は今自分
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第663話

唯花は先にそのメモを取りだして目を通した。メモには「これは二本のペン型ボイスレコーダーです。誰もいないところで聞いてください。九条悟より」と書かれていた。これは九条悟が送ってきたのだ。ペン型ボイスレコーダー?一体どんな内容が録音されていて、他人に聞かせられないのだろう。唯花は気になってならなかった。悟から一人で聞くように言われた以上、夕食を食べた後部屋に戻るまで待つしかなかった。「唯花ちゃん。何が入っていたの?誰から送られてきたの?」詩乃は心配そうに聞いた。唯花はメモを袋に戻しながら答えた。「私が使うペンです。清水さんが送ってきたんです」詩乃は「そう」と言い、これ以上は聞かなかった。好奇心がどんどん湧いてきて、唯花は晩ご飯を食べ終わると、姉が陽をお風呂に連れて行くと言ったから、姉と一緒に部屋に戻った。二人の部屋は隣だった。これは詩乃がわざわざ手配していたのだ。慣れない環境でもお互いに支え合って安心できるように。唯花は自分の部屋に入って、ドアを閉めると、すぐその黒い袋を開けて、中から二本のペン型ボイスレコーダーを取り出した。それから、ソファに座り、録音された内容を聞き始めた。すると、莉奈と俊介の声が聞こえてきて、唯花はようやくわかってきた。これは午後あの二人のクズに会って、離れた後、二人がしていた会話だった。九条悟という人物は本当にすごい。こんな会話まで録音できるなんて。社長夫人に褒められたのを知ったら、悟はきっと舞い上がるだろう。実は、彼はただの好奇心だった。それに、俊介の浮気の証拠を集めてくれた人をまだ呼び戻していなかったため、そのまま俊介についていて、たまたまこの会話を録音したのだ。だからこのような内容を録音したわけだ。「天使のような顔しながら、小悪魔のようなスタイルの持ち主を用意するの。結城理仁を誘惑する……」唯花は莉奈と俊介の会話を聞いて、冷たく笑った。「もし理仁さんが本当にこんな簡単に女に惑わされるようなら、彼は結城理仁じゃないわよ」あの人は本当にどんなことに遭っても落ち着いているのだ。彼女が酔いつぶれて、彼が彼女の着替えを手伝った時でさえ、手を出さずに我慢したのだから。彼は衝動でそのような過ちを犯す男じゃない。俊介のようなろくでなしは彼とは比べようもな
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第664話

理仁は無理やり笑顔を作って言った。「これは妻から俺への文句かな?でも、食欲がなくて、あまり食べたくないんだ。それに、こんなに必死になってるのは早く仕事を終わらせて、君のもとに帰りたいからなんだよ」「焦る気持ちはわかるけど、体を一番に考えて。今どこに泊ってる?ホテル?食欲がなかったら、お粥でもさっぱりしたもの食べてみて。それに、理仁さん、もうちょっとスマホを高くして、ちゃんと顔を見せてちょうだい」理仁は動かなかった。唯花は怒りだした。「理仁さん、三つ数えるから、顔を見せなかったら、今年はもう口を聞かないし、電話も出ない、メッセージも返さないからね。一……」彼女が「一」と数えた途端、画面に理仁の顔が現れた。彼は明らかに具合が悪そうで、普段から冷たくて無表情な顔が不自然に赤く染まっていた。それを見た唯花はびっくりして声を上げた。「お医者さんに行かなかった?今きっと高熱よ。理仁さん、どれだけ私を心配させたいの!」理仁は手で頭を支えながら、強がって言った。「薬は飲んだ、薬局で買った風邪薬なんだが、あまり効かないようだ……たぶん、症状に合ってないかも」「今会社にいる?」「会社にいるけど、オフィスじゃなくて、会社のマンションだね。会社はいくつか社員用の部屋を持ってるんだ。出張する社員のために用意された部屋なんだ」彼が泊まっている部屋には書斎があり、今ちょうどその書斎のデスクの前に座っている。風邪薬を飲めばすぐ治ると思っていたが、時間が経つにつれ熱が上がる一方だった。ますますきつくなった。普段、健康そのものの理仁はいつもは風邪も引かないのに、風邪を引くと、すぐこじらせて重症になってしまった。彼は自分の体質を過信していた。ちゃんと持ちこたえられると思っていた。「今すぐ病院に行って、自分で運転しないで、タクシーで行って!」唯花は命令するように言った。「聞いてるの?今すぐ病院に行きなさい!」心配でたまらなかった。大の男なのに、風邪を甘く見過ぎている。体温がどんどん高くなって、つらくないのだろうか。「俺はちょっと……唯花さん、すまん、一旦電話を切る」理仁はこれ以上耐えられないと感じて、急いで電話を切った。気を失うところを彼女に見せて、驚かせたくなかったのだ。そして、子会社の社長に電話をかけ、病院へ連
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