唯花は頷きながら言った。「じゃあ、お医者さんの言う通りに数日彼を入院させましょう。ある程度回復してから退院ね。彼の仕事と……それから給料……」理仁を入院させて、これを機に彼には数日間しっかりと休んでもらいたいと思ったのだ。会社は社長のものだし、彼に責任があるわけでもない。病気になってしまったのに、その社長のために必死に働かないといけないのか?島田は慌てて言った。「内海さん、ご安心ください。結城さんの仕事は我々で処理をいたします。彼が入院している間は仕事上で何かあっても結城さんを煩わせるようなことはしません。彼は出張中ですので、給料にも影響はありませんよ」結城グループの全ては結城社長のものである。それなのに社長夫人は結城社長が入院することになったら、給与が発生しないのではないかという心配までしているのだ。「ありがとうございます」唯花はお礼を言った。彼女は旦那のために有給休暇を獲得できたと思っていた。「内海さん、私たちが何か結城さんのお世話をすることはございますか?」唯花は尋ねた。「点滴はあと何本ですかね?」「あと一本で終わりです」「じゃあ、私が見ています。ここには彼を見るために来たので」島田は感激して言った。「内海さん、わざわざ来て結城さんのお世話をしていただき、ありがとうございます。私たちもそうしていただければ安心です」彼らは本来、秘書たちをよこして理仁の面倒を見させようと思っていたのだが、理仁は家族以外の若い女性が自分に近づくのは嫌うので、結局その秘書を呼ぶのを諦めたのだった。社長夫人が直接病院まで来たのは、まずは結城社長に対する愛が深いからで、彼らはとても羨ましく思っていた。彼らは結城社長が一体いつの間に結婚したのか知らなかったが、九条悟が社長夫人だと断言したのだから、絶対に間違いない。それから、彼らは毎日入院するのが大嫌いな結城社長の様子を見に来る必要がなくなるのだ。「内海さん、ここにあるお菓子は、結城さんに言われて我々が用意したものです。それから新鮮な果物に牛乳もあります。そして、内海さんがお忙しい中、時間を割いて結城さんのお世話をされるということで、内海さんにもお気持ちとして少しですがお渡ししたいと思っています。結城さんが退院したら、会社の私のところまでご足労願えますでしょうか?」唯花は島田が
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